愛知民報

【10.04.11】許可取り消しの産廃施設 破砕処理は稼動か 春日井市松河戸

 
 周辺住民が建設反対運動を展開し、愛知県が許可を取り消した春日井市松河戸地区の産業廃棄物焼却施設について、同施設を持つ名成産業は廃棄物を破砕処理する施設を稼動させたい意向といわれ、焼却施設の復活につながりはしないかと住民は警戒感を強めています。

 この産廃処理施設を建設したのはパチンコチェーン店経営者。廃パチンコ台のほか、汚泥、廃油、廃プラスチック類、感染性産業廃棄物を24時間操業で1日当たり43・2トン焼却する計画でした。

 建設地は春日井市側の庄内川堤防沿い。環境悪化を心配する建設反対運動は地元だけでなく、対岸の名古屋市守山区、北区にも広がりました。

 しかし、県は2004年4月に設置許可を与え、名成産業は06年7月に着工。07年10月から試運転をはじめましたが、消石灰の飛散など事故が続出。県の許可責任が問われていました。

 住民は県に試運転中の厳密な環境調査を要求。排ガスの臭気指数などが許可申請書の数値を超え、県の改善命令に違反していることが判明。県は異例の設置許可取り消しに踏み切りました。

 「産廃施設建設をやめさせる守山の会」の大島良満会長が昨年11月に環境省に陳情した際、同省は「改善命令違反で県知事が設置許可を取り消すことに何ら支障はない」と答えていました。