愛知民報

【10.03.21】政治を動かす県民のたたかい 大型開発から自然守る

 愛知県内の日本共産党と県民のたたかいを紹介するシリーズの第4回は、大型開発に反対し、環境を守る運動です。
山林の間に水田と耕地があり、サシバやミゾゴイの生息地になっているテストコース予定地。

COP10

 今年10月、名古屋市で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開かれます。日本共産党愛知県委員会は2008年7月、COP10についての「日本共産党の基本的考え方と共同の呼びかけ」を発表しました。「呼びかけ」は?生物多様性条約の進歩的な理念、内容、実践を前進させ、実効ある地球温暖化抑止、地球環境と生物多様性の保全に貢献?環境NGOや市民団体の参画?環境破壊の大型開発事業中止、国や自治体の環境行政の検証と改善?行き過ぎた大企業支援や税金むだづかいの企画、や不要不急の便乗型公共事業を許さない――という4つの立場を明らかにしています。

 同党は環境団体、学者、行政担当者を招いた環境問題の懇談会やシンポジウムを開きました。

藤前干潟、海上の森

 愛知県と名古屋市は、名古屋港にある藤前干潟のラムサール条約登録や愛知万博開催を環境保全の「成果」と宣伝しています。

 しかし、藤前干潟の埋め立てや海上の森をつぶす万博計画を推進したのは県と市です。

 この自然破壊の開発計画に反対し藤前干潟と海上の森を守ったのは県民の自然保護運動と日本共産党の共同したたたかいでした。

 県民の環境を守る積極的な活動が世界的に評価され、COP10の誘致が決まったといえます。

“ポスト万博”

 国・愛知県・名古屋市は愛知万博後も設楽ダム、トヨタ自動車テストコース造成事業、木曽川水系連絡導水路、中部国際空港第2滑走路といった大型開発計画を推進しています。

 これらの開発は、税金のムダ遣いであると同時に、貴重な生態系を破壊し、地球環境に大きな負荷を与えるものです。環境団体と日本共産党は国や自治体に大型開発事業の中止や抜本見直しを求めています。

里山の保全を 環境保護運動に取り組む 大羽康利さん

大羽康利さん
 10月のCOP10では、生き物との共生を営んできた「里山」という日本独特の概念が世界にアピールされます。その一方で、貴重な猛禽類やミゾゴイが生息する里山を破壊するトヨタ自動車の研究開発・テストコース用地造成事業が愛知県企業庁の手によって行われようとしています。COP10の理念とまったく矛盾します。

 「何とかならないのか」というのが私たちの気持ちです。トヨタ自動車は代替地の確保、研究開発とテストコースの分離など、この計画を抜本的に見直し、地域と環境に貢献していただきたい。