愛知民報

【10.03.21】名古屋市議会傍聴記 光る日本共産党の論戦 

“信長市長”たじたじ

 名古屋市議会2月定例会を傍聴しました。市民の要求実現や民主主義の見地から、河村市政の問題点をつく日本共産党議員の論戦が光りました。「平成の信長」を自認する河村たかし市長も鋭い質問にたじたじでした。

誤答弁でお詫び

 河村市長が答弁の誤りで日本共産党議員に陳謝し、議長に訂正を申し出ました。

 日本共産党の田口一登議員は、河村市長が議会に出した市議定数を半分に減らし小選挙区を導入するムチャクチャな定数削減案をとりあげ、「死票」の増大や「1票の格差」の拡大を指摘しました。

 これにたいし市長は「間違いだ。1票の格差は縮小」と開き直りました。ところが間違っていたのは市長の方。拡大することがわかり、市長は陳謝し答弁を訂正することになりました。

 市長の市議定数半減案が多様な民意を切り捨て民主主義に逆行することが浮き彫りになりました。

保育関係者の声聞く

 大企業・金持ち優遇の「市民税減税」のため、保育料値上げなど市民に犠牲を押し付ける河村「構造改革」予算の転換を迫ったのがわしの恵子議員。

 廃止方針の自動車図書館の継続を要求された市長は「民間でやれんものか。昔流なら紙芝居。カネ払って水アメ食わしてもらって。ああいう感じでもいいんじゃないか」と、図書館と紙芝居の違いも分からない答弁に議会はあ然。

 保育料値上げに反対する関係者の声を聞けと詰められ、「会う」と答弁。15日、わしの議員の段取りで保育関係者の市長陳情が実現しました。

COP10なのに環境行政の大後退

 10月に生物多様性確保のための国際会議COP10が名古屋で開かれます。河村市長の新年度予算案は、市の環境科学研究所の廃止、各保健所の環境・公害部門の統合・縮小、大気汚染常時測定局の削減など環境行政が大後退。

 河村市長がCOP10の目玉にしようとした天白区平針の里山保全は民間開発企業からの用地買上げの5億円が調達できないとして市長は開発を許可してしまいました。

 山口清明議員は、「金持ち減税の161億円は決断できて、生態系保護の5億円がなぜできないのか」と追及。市長はまともに答弁できませんでした。

食肉利権にメス入れず

 さとう典生議員は、名古屋市の外郭団体である名古屋食肉市場や名古屋食肉公社への不明朗な市の公金投入やフジチク関係団体への巨額資金の支出問題を取りあげ、「外郭団体改革というなら食肉利権疑惑にメスをいれよ」と河村市長に求めました。

 「議会改革」では自論をまくし立てる市長がこの問題では答弁メモを棒読み。「この人もタブーに弱いのか」の声が出ました。

地域委は行政機関

 新年度から市内8地域ではじまる「地域委員会」。市長は「ボランティア議会」だと宣伝。市議定数半減の口実にしています。

 日本共産党のかとう典子議員は、「議会」か「行政機関」かと、地域委員会の位置づけを質問しました。

 市長は「地域委員会は行政機関」としぶしぶ認めました。