日本共産党名古屋市議団は16日、2010年度名古屋市予算案について、わしの恵子団長の談話を発表しました。談話を紹介します。
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一、2月12日に市予算案が発表された。この不況下で市民は暮らしの応援を求め、中小業者は経営を応援することを求めている。
しかし、その市民の願いに背を向け、河村市長は減税による大幅な財源不足を作り出し、『聖域なき行財政改革』の名のもとに市民生活関連の予算の削減を進める『構造改革』予算を編成した。
しかも、減税による「恩恵」を宣伝して、大企業や富裕層の誘致作戦を行う計画である。いったい、誰のための政治か、どこに目を向けているのかと言わざるを得ない。
とくに、公約だった中学校卒業までの通院医療費無料化の実施見送りは市民を裏切るものである。
減税と税収減の穴埋めで借金を増やしたうえに、行財政改革によって、保育料値上げ、学童保育助成制度の基準額引き下げ、私立高校授業料補助の引き下げ、自動車図書館廃止、大気汚染常時監視測定局の削減など福祉、子育てや教育、環境施策などが後退させられようとしている。環境科学研究所廃止も報道されたが、環境汚染を見逃さないためにも公的機関として維持していくべきである。
また、人件費の削減は不安定雇用を増大させ、市民サービスの質の低下が懸念される。
公共事業では、天守閣木造復元の調査費が計上された。不景気や低賃金に苦しむ市民が望むことではなく、市長の「市政私物化」ともいえる計画は止めるべきである。
一方、ヒブワクチン等5種類の任意予防接種費用の助成、がん検診の拡充、国保料引き下げや水道料金の値下げなどの負担軽減策が盛り込まれた。これらは、市民と日本共産党の運動の成果である。
日本共産党市議団は、今後も市民の暮らし・福祉を守る予算にするために全力を尽くす。
二、市長は「議員定数半減」「議員報酬半減」「政務調査費廃止」の条例案を提出し、二元代表制を否定して改憲と結び付く強権的な「議会改革」を行おうとしている。これにたいして党市議団は市民の立場に立った議会基本条例の制定、議員定数半減の阻止、適切な議員報酬の実現に取り組み、市民と力を合わせて“日本一開かれた議会”の実現に全力を尽くすものである。