鳩山民主党政権のもとで政府の構造改革特別地域(特区)推進本部は、全国の公・私立保育所の3歳児以上の給食については「特区」指定なしで外部からの搬入を認めようとしています。
保育所の給食は施設内調理が原則。しかし、自民・公明の前政権は2004年から「給食特区」とされた自治体は外部調理ができるように規制を緩めました。現在、愛知県内21市町村がこの「特区」に指定されています。
田原市は07年4月に給食センターで調理した給食を保育園に配達する方式を導入しました。住民は同年5月、「新設の保育園に自園調理の機器がないのは違法」と名古屋地裁に提訴、8月に国を相手に田原市の「特区」認定の取り消しを求めて提訴しました。
今回の規制緩和は「特区」の限定を外したうえ、公立・私立の別なく、全地域の保育園の給食調理の規制をなくそうとしています。
食育をくずす 小中学校・保育園のより良い給食を求める田原市民の会 大羽康利さん
田原市では学校給食センターが稼働していない時は保育園では調理パンが提供されています。保育園給食は食育の一環です。給食の外部委託で園児が食材に触れることがなくなり、給食の先生との会話ができない中でどのような「食育」が可能というのでしょう。
09年4月の新「保育所保育指針」でも「自然の恵みとしての食材や調理する人への感謝の気持ちが育つように、子どもと調理員の関わり」を重視しています。
保育園運営を「行革」の対象とすることは大きな誤りであり、将来に禍根を残すと言わざるをえません。