愛知民報

【10.01.24】赤字リニモ 愛知県と沿線市町 48億円支援

 愛知万博の観客輸送に使われたリニモ(東部丘陵線)が赤字で資金不足に陥っています。愛知県は2010年度から4年間に48億円の追加出資を決めました。神田真秋知事は沿線自治体にも出資要請をすると表明しました。日本共産党の原田秀俊長久手町議に聞きました。
 

第3セクターなのに大企業負担はゼロ

 愛知県は08年、リニモを運営する第3セクター愛知高速交通(社長・神田真秋県知事)への貸付金を出資金に切り替える方法で資金援助しました。

 長久手町は県の要請を受け昨年12月、県と同様に、町の貸付金12億5千万円を出資金に切り替えました。さらに出資することになれば、長久手町は今後4年間で約9億円を投じることになります。

 問題点の第一は、過大な利用予測をおこない、愛知万博に向け建設をすすめた県の責任です。県は当初計画の利用予測を1日3万1千人としていました。08年に下方修正し、1日2万5千人としましたが、09年度上半期の利用者は2万人を割り込んでいます。

 第2は、税金投入の費用対効果が納税者の町民に全く説明されないことです。

 第3に、名鉄を筆頭に民間26社が40・1%を出資しています。しかし県は「この不況で民間に責任を負わせられない」として沿線自治体にリニモの赤字補てんを負わせようとしていることです。

 さらに長引く不況で町の税収が減る中で、リニモへの税金投入は、福祉後退をまねく懸念があります。