愛知民報

【10.01.24】2010年度名古屋市予算原案 1月12日 わしの恵子日本共産党名古屋市議団長談話

大企業優遇のつけ 押し付ける「構造改革」予算

 一、本日、名古屋市は来年度予算の原案を発表した。河村市長がはじめて編成した予算案は、「市民税10%減税」の実施で大企業や富裕層に減税の大盤振る舞いをする一方で、減税によって大幅な税収減をつくり出し、「聖域なき行財政改革」の名のもとに市民生活関連の予算の削減を進める「構造改革」予算となっている。

 一、市民税減税による減収分161億円を含む市税の減収分は231億円にのぼっている。その穴埋めのために、市立苗代保育園の民営化、市立城西病院の廃止・民営化の検討、母子生活支援施設・五条荘などへの指定管理者の導入など市の福祉責任を後退・縮小させるとともに、学童保育への助成基準額の減額、自動車図書館の廃止、保健所での結核定期健診の廃止、大気汚染常時監視測定局の縮小など市民生活の全般にわたる予算カットが行われている。さらに、第3子以降(3歳未満児)無料化の段階的廃止などの保育料の値上げをはじめとする使用料の値上げも目白押しである。これらは、市民生活に重大な影響を与えるものである。一方で、市民の切実な願いである中学卒業までの通院医療費の無料化は、予算案に盛り込まれていないが、これは市長マニフェストにも議会答弁にも反するものである。

 一、公共事業は、公園の維持管理費や市営住宅建設費など市民生活に密着した分野が削減される一方、名古屋城本丸御殿の復元やモノづくり文化交流拠点の整備など前市長時代からの4大プロジェクトは継続され、さらに推進されている。減税の恩恵が乏しい低所得者への支援として、国民健康保険料の引き下げやヒブワクチンなどの接種費用助成などが盛り込まれているが、これは、市民の運動と日本共産党の議会での論戦を反映したものである。わが党は、不要不急の大型事業にこそ削減のメスを入れ、現下の深刻な経済危機から市民の福祉と雇用を守る予算となるよう、市民と共同して力を尽くす決意である。