「つながる」こと
2010年春闘について愛知県労働組合総連合の榑松佐一議長に聞きました。
激動の年
2010年は、激動の年になってきています。何が起こるかわかりません。
昨年は、政権交代が起こりました。我々の要求と国民の運動が力を尽くして変えてきたものです。問題はその後です。経済情勢がどうなるか、簡単に予測がつきません。
鳩山政権も国民の願いを受けて、政権に就きましたが、あっという間に支持率は50%を切ってしまいました。もう一人、名古屋では河村市長が何をやるかわからない。そういう意味でも激動です。
賃上げこそ
賃下げは深刻です。民間企業の冬のボーナスが厳しかったので、公務員の職場でも従来の枠の中に納まりません。名古屋市交通局では生涯賃金の20%の賃下げが労使合意したと言われています。民間労働者の賃下げが自治体職員の賃下げにつながっています。
河村市長は「職員の賃金を下げれば『市民税減税』ができる」と言って公約違反の大企業・金持ち減税をやろうとしています。大企業の巨額のため込みを労働者に還元させて賃上げを実現することが需要不足の不況を打開する決め手です。
世界の変化
労働運動も激動の時代に入ってきたと思います。昨年は全国労働組合総連合(全労連)、愛労連でフィリピン、ベトナムに実態調査に行ってきました。
経済の変化がすごいスピードで私たちがこれまで10年、20年単位で考えてきたものが、両国では2年、3年という単位で起きてきています。
アメリカの新自由主義経済が世界中で猛威を振るいました。しかし、リーマンショック以後の経済状況は、新自由主義政策が破たんしてきていることを実感しています。
期待にこたえる
愛労連に期待が寄せられ、労働相談は2000件を越えています。大変な数です。700人を超す外国人労働者がJMIU(全日本金属情報機器労働組合)に相談に来ています。中国人やベトナム人が400人も相談に来ました。労働運動が世の中を動かしていることを実感しています。
全労連、愛労連をつくった20年前、「そんな少数の労働運動はやがてつぶれる」とまで言われました。しかしいまや、マスコミも愛労連、加盟単産、地域労連の運動を紹介するようになっています。
私たちは期待にこたえて、多くの労働者、国民とつながるところまで来ていると思います。
今年の愛労連の運動は「つながる」ということをキーワードにしていきたいと思っています。多くの県民と世の中を変えるような運動をこの1年間、展開していきたいと思います。みなさんのご支援をお願いします。