全国初
春日井市松河戸町の庄内川河川敷に民間業者が建設した産業廃棄物の焼却処理施設について、愛知県は試運転中に2度にわたる改善命令を出したにもかかわらず、基準値を超えたとして、設置許可を取り消す手続きに入りました。
この産廃施設は、パチンコ店を経営する名成産業(名古屋市東区)が建設し、廃パチンコ台から出るプラスチックの他、廃油、医療廃棄物などを処理する計画でした。
同施設は試運転中の2008年3月と同年10月の2度の検査で、いずれも排ガスや騒音、臭気が基準を超え、県は改善を命令。しかし、昨年6月の3度目の検査でも基準値を超えたため、今月中には「設置許可取り消し」の決定を下すことになります。
全国初 住民運動の勝利
産廃焼却炉建設をやめさせる守山の会の大島良満会長は次のように話しています。
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設置許可取り消しになれば、全国で初めて産業廃棄物焼却施設を試運転段階で阻止することになります。10年間、春日井市、守山区、北区の住民団体はこの産廃施設は環境を悪化させる欠陥施設だと訴え、許可しないよう、県庁前での“人間の鎖”行動や20万人を超す署名を集めるなど反対運動を広げてきました。県のほか春日井市や名古屋市にも働きかけました。
今回の許可取り消しの手続き開始は、住民運動の大きな成果です。