見直すべき
前回、1985年2月の愛知県議会で日本共産党の和出徳一県議(故人)が設楽ダム無用論を主張したなかで、大企業の取水権問題を追及したことを紹介しました。時代の変化の中で事業内容が変わり、従業員数は減っているのに取水権は変わらずという状態が今日も続いているのではないか――。
愛知県や関係自治体は大規模ダム建設に寄らず、過大な水利権の調整や緊急時の水系を超えた水の融通など、水資源の有効活用へ進むときでしょう。
否定材料
設楽ダムの必要を否定する見解が次々出ています。国交省がおこなった設楽ダム建設の費用便益分析について、専門家はマイナス効果が無視され、投資効果が過大に評価されていると指摘。マスメディアも「評価を水増し」(「中日」10月11日付)と批判しています。
「水増し」しても、民主党がマニフェストに中止を明記した八ッ場ダムの費用便益より設楽ダムの方が悪いのです。
振興と補償を
12月16日、設楽町に入った日本共産党の井上さとし参議院議員やかわえ明美さん、もとむら伸子さんらと懇談した横山光明町長は「これまで町がダムをのぞんだことは一度もなかった」と語り、「見直しするなら、地域整備やダム計画に振り回された住民への補償をしてもらいたい」と訴えました。
井上氏らは「ダムをやめても展望がもてるよう努力する」と約束しました。