愛知民報

【09.12.20】全国瞬時警報システム 「武力攻撃」情報を家庭にも 愛知県議会11月定例会

 16日に終わった愛知県議会の11月定例会で可決成立した補正予算には、「武力攻撃」情報を国の消防庁から県・市町村役場と住民に知らせる「全国瞬時警報システム」の整備費が含まれています。総額は3億2717万円。そのうち2312万円は県の整備費、残りの3億405万円は市町村に回される補助金。全額国費です。

 このシステムを使って伝達される緊急情報は地震、津波といった自然災害の速報・警報だけではありません。内閣府は、日本が他国から「武力攻撃」を受けそうだと予測し、弾道ミサイル、航空、ゲリラ・特殊部隊、大規模テロの4種類の「攻撃」警報を自治体と住民に伝達します。

 人工衛星とインターネットを通じて流される「武力攻撃」情報は県・市町村の行政施設の庁内放送だけでなく、ケーブルテレビやコミュニティFMなどで地域と家庭に直接入ります。

 時の権力によって「攻撃」情報が操作されるおそれもあります。国際紛争解決のための外交努力が軽視され「やられる前にやる」という先制攻撃と軍拡の世論づくりも危険です。民主党政権のもと、「国民保護法」にもとづく戦争体制づくりがすすんでいます。

 日本共産党の志位和夫委員長は、今日の国際情勢の特徴として「世界の各地で、平和の地域共同体が全体として豊かな広がりを見せている」と発言しています。

 日本は「武力攻撃」を想定して軍事的に身構えるのではなく、憲法9条の立場でアジアの平和共同体構築のイニシアチブを発揮し、世界の新しい平和の流れを加速させることが求められています。