愛知民報

【09.10.11】依然厳しい雇用・労働情勢 改善へ運動強く

高校生 就職難

 自動車産業などの採用抑制で、高校生の就職が悪化しています。

 8月末時点で、県内の来春卒業予定の高校生の求人倍率は1・45倍。前年同時点を1・50ポイント下回り、7年ぶりの低下です。豊橋、豊川、新城、一宮、瀬戸、岡崎の倍率は1を切っています。

 県立高校の就職担当教員は「今春の卒業生の場合、数百人が卒業時に就職が決まらずフリーターなどになった。来春はもっときびしくなりそう。国、県、企業は就職確保の責任を果たしてほしい」と話しています。

生計費に及ばぬ最低賃金

 今月11日から適用される愛知県の新しい地域最低賃金(時間給)は昨年より1円上積みの732円にとどまりました。愛知労働局が決定しました。

 愛知県労働組合総連合(愛労連)の榑松佐一議長は「最低賃金は生活保障の最低限を規定するものです。732円では1日8時間働いても6000円にもならず、人間らしい生活できません」と批判しています。

 低賃金の非正規雇用が広がり、年収200万円以下のワーキングプア(働く貧困層)が1000万人を超えています。愛労連は、時給1000円以上の全国一律最低賃金制の確立をめざし、少なくとも09年の愛知県の最低賃金を東京並みの791円に引き上げることを要求しています。

勤務医 過労死不安

 愛知県保険医協会が5月、勤務医の会員医師を対象におこなった労働実態アンケート調査によると、病院の常勤医師の週平均勤務時間は労働基準法が規定する40時間を大幅に超過する59・1時間となっています。

 当直を含めた時間外労働が月80時間以上の医師は25%、当直を除いても14・8%の医師が80時間を超えています。時間外労働が月80時間を超すと過労死ラインと言われ、過酷な勤務状態にあります。

 改善のため、医療費総枠拡大、医学部の定員増、診療報酬の引き上げなどの要望が多く出ています。