愛知民報

【09.10.11】河村たかし名古屋市長 教科書採択にも介入姿勢 南京大虐殺問題―これも重大

 河村たかし市長は衆議院議員時代に旧日本軍による「従軍慰安婦」や南京大虐殺を否定する言動をおこない、女性団体や平和団体から批判されていましたが、市長就任後の名古屋市議会で南京大虐殺を否定し歴史教科書の採択に介入する姿勢を示しました。

 9月15日の名古屋市議会本会議で、自民党の東郷哲也議員(守山区)は、河村市長に対し南京大虐殺についての認識とそれを記述している歴史教科書への対応を質問しました。

 同市長は、虐殺の犠牲者数について「30万人は真実と違う」と述べ、日中両軍の銃撃戦に多数の市民がまきこまれて犠牲になったことが「誤解されて伝えられたのではないか」という独自の解釈から、虐殺の事実そのものを否定しました。

 また、東郷市議は名古屋市立の小中学校、高等学校で使用されている歴史教科書に南京大虐殺の記述があるとして、市長の今後の対応を質問しました。

 市長は「一方的なことを書くのはいかんと思っております。教科書は教育委員会がやることなんですけど、このへんも相談してみたいなと思っております」と、歴史教科書の採択に介入する姿勢を見せました。

 南京大虐殺を否定した市長答弁について、日本共産党市議団は、1937年に南京で「日本軍による非戦闘員を含めた殺害、略奪行為があったことは否定できない歴史的事実であり、政府見解とも異なり、南京市との友好関係に悪影響を及ぼす」として、市長に答弁の撤回を求めています。

 歴史教科書採択についての市長答弁は、教育内容への行政介入につがるものであり、今後問題になることは必至です。