愛知民報

【09.09.20】仕事不足の下請け製造業者 県に苦境訴え 固定経費の補助を

 昨秋の金融危機後の大不況で仕事が激減した自動車部品などの下請製造業者が「死ぬか、生きるかの瀬戸際」と愛知県に窮状を訴えました。廃業を防ぐため、貸し工場の家賃や電気代の基本料金など、仕事がなくても支払わざるをえない固定経費への補助や融資条件の緩和などを求めました。

民商が取り組み

 県への陳情をよびかけたのは、県内の民主商工会などが加盟する愛知県商工団体連合会(太田義郎会長)。14日、県庁に115人が集まり、県の中小企業金融課などに支援を求めました。

 【北名古屋市の制御盤製造業】35年の経営実績があるが、今回は最悪。リーマンショック後、売上げは3分の1に激減。毎月30万円の赤字。大家に頼んで工場家賃を15万円から13万円に下げてもらったが、会社を閉めるかどうかの状態。せめて家賃分を補助してほしい。

 【春日井市の鉄工業】毎月の売上げは10分1に減った。息子の給料を35万円から10万円に減らした。緊急融資を受けてつないできたがもう限界。メーカーに仕事を出すよう言ってほしい。工場維持の固定費を援助してもらいたい。

 【豊橋市の自動車部品加工業】今年に入って仕事が激減。1250万円借り入れたが、もう残っていない。機械を動かさなくても電気代の基本料金を取られる。仕事のない時は基本料金を下げるようにしてほしい。

 【名古屋市の紡績機械部品加工業】リーマンショック以降、仕事がほとんどなくなった。この8月は昨年の1割しかない。今週はまだ仕事がない。これまで、税金をきちんと払ってきた。生きるか死ぬかの時に、何とか手助けしてほしい。

 こうした業者の切実な訴えに、県の中小企業対策関係の職員は耳を傾けていました。
 全国の民主商工会は、下請製造業者の生き残りを支援するための「緊急休業補償制度」の創設を国や自治体に求めています。