愛知民報

【09.09.20】名古屋市 減税財源 福祉に大なたか 河村たかし市長 扶助費削減を指示

 名古屋市の河村たかし市長が「市民税10%減税」の財源をつくるため、職員の給与カットのほか、福祉や市民サービスの後退につながる扶助費などの経費削減を指示したことに市民の批判がおきています。河村市長が「福祉もムダがないわけでない」というなら具体的な内容を示すべきです。

「市民運動 緊急に」

 9月2日の市議会財政福祉委員会で市側がおこなった説明などによると、来年度予算で減税(約230億円)の実施と不況などの影響による収支不足(約260億円)を埋めるために必要なおカネは合わせて490億円。

 これを職員給与の一割削減(164億円)と各局経費の一律削減(238億円)、さらに不足分は借金でまかなう算段。238億円にのぼる経費削減は物件費、投資的経費、補助金等が30%、扶助費は15%の一律カット。

 09年度の予算ベースで局別の削減目標額は健康福祉局63億円、子ども青少年局41億円、緑政土木局38億円、教育委員会37億円など。

 福祉・医療などの市民サービスの予算に削減の大ナタが振るわれるおそれも。一部報道は、削減検討対象事業として、低所得の高齢者医療費を無料にする福祉給付金、障害者や母子・父子家庭の医療費無料制度、子育て支援手当、不妊治療費助成、乳幼児健康診査、妊婦健診などをあげています。

 教育委員会関係では、学校の運営費、施設営繕費、光熱水費が30%、私立高校と私立幼稚園の授業料補助が15%の削減対象。

 消防関係では、消防車両の維持管理、消防団の運営、消防・救急活動の実施などの経費が削減検討の対象になっています。

 担当課は削減目標を達成するため、対象事業の何を、どう削るか、検討中。今月下旬から来月初めにかけて検討結果をまとめるといわれています。

 日本共産党名古屋市議団が11日におこなった市政懇談会で、出席した市民から「減税財源を福祉削減に求めるのは邪道」「補助金を削減されたら学童保育などやっていけなくなる」と批判の声があがりました。

 加藤瑠美子・愛知県社会保障推進協議会事務局長は、福祉を守る緊急の市民運動を訴えました。