愛知県は7月23日、地域福祉課長名で県の福祉相談センター長にたいし、生活保護の相談、申請の対応の改善を通知しました。これは日本共産党愛知県委員会の要請に応えておこなったものです。
県内では、今回の不況で町村部でも“派遣切り”などによる生活困窮者が生活援助を求めて町村役場に駆け込むケースが増えています。生活保護行政は自治体の福祉事務所が行いますが、町村の場合、独自の福祉事務所を持たず、県の福祉相談センターが担当しています。
海部郡では、津島市にある県海部福祉事務所の生活保護ケースワーカーが町村を巡回しています。大治町に住む住民から「緊急を要するのに、役場窓口の対応が非常に悪い」という苦情が日本共産党の生活相談所に寄せられました。
同県委員会は7月16日、県の福祉相談センターが生活保護行政を担当している町村の窓口の対応が遅く、解雇・雇い止めで職と住居を失った元派遣労働者を緊急に救済するものになっていないとして、県に改善指導を求める申し入れをおこないました。
これには蟹江、長久手、東郷、東浦、阿久比各町の同党議員らが参加。参加者らは町役場では申請に対して「県の担当者に連絡するので出直しを」「仕事を探しなさい。ここには担当者がいない」など迅速な対応をしない例を指摘し、改善を求めました。
議員らは「窓口申請書類がなく、すぐに手続きができない」「食事も金もない事態なのに、役所の都合で対応が遅れるのはおかしい」と訴えました。
県は申し入れを受けた際、「間違った対応を正すよう徹底的に指導する。申請受理の前に住む場所や食事の確保が先決」と改善を約束。実情調査のうえで、このほど具体的な改善通知を出しました。
通知では、▽申請権の侵害やそれと疑われるような行為▽県の担当者の都合が合わないことを理由に相談、申請を先延ばしにすること▽最初の役場来庁時に申請を受け付ける▽電話などによる申請意思表示の際は訪問すること▽申請書類一式は役場窓口で交付できるよう配慮する―など改善を求めています。
海部郡内の町役場窓口には、7月末から生活保護申請書が置かれるようになりました。
もっと活用しやすく 愛知「赤旗」生活法律相談所長 大河内直江さん
「派遣切り」された人が町村役場に生活保護の相談に行ったら対応が悪いので、わざわざ名古屋市の中村区役所まで相談に来たケースがあります。
共産党の申入れを受けて県が改善を約束したことは画期的です。今後も市区町村役場で生活保護申請の受付がきちんとおこなわれるよう運動が必要です。