愛知民報

【09.08.23】日米FTA 日本農業あやうし 県内農家と懇談

 
 日米FTA(自由貿易協定)が日本農業の死活問題として、総選挙の争点になっています。

 日本と愛知県の農業は、自民党政治の農産物輸入自由化で大きな打撃を受けてきました。そこへ「政権交代」という民主党がマニフェストに日米FTAを「締結し、貿易・投資の自由化を進める」と明記しました。

 日米FTAの最大の狙いはコメの輸入拡大。すべての農産物関税を撤廃すると、日本の食料自給率はいまの40%から12%に低下するとの農水省の試算もあります。

 これに農家は反発。同党は「交渉を促進し」に表現を変えましたが、輸入自由化路線は変わりません。

 日米FTAの背景には「大企業の輸出拡大のために農業の自由化を」「非効率な農業に予算を使うのはムダ」という財界や、「農産物市場を自由化せよ」というアメリカの強い圧力があります。農家からは「日本の農業を壊滅させるとんでもない政策だ」と怒りの声が上がっています。

 日本共産党は日米FTA断固反対の立場。同党の「農業再生プラン」をもってJA関係者などとの対話をすすめています。「プラン」は価格保障と所得補償を組み合わせて米価を保障し、義務的な米の輸入を中止させる食料主権の確立を打ち出しています。

 愛知県は花き、野菜、畜産など全国でも有数の農業生産県。日本共産党は15日、田原市で農業関係者と懇談しました。

 参加者から「FTA締結でコメの輸入が完全自由化になると米作農家は壊滅する」「企業の参入を認めた農地法改正案が今年6月に自公民の賛成で成立した。田原市でも総合商社が農地確保を始めている。地元の零細農家はつぶれる」と発言が相次ぎました。

食糧主権の確立を 愛知農民連会長 早崎英夫さん

 8月11日、愛知県下の農協役員セミナーが開催され、民主党がマニフェストで日米FTAの「交渉促進」を打ち出したことを批判しました。WTO(世界貿易機関)中心、市場原理主義では自民党も民主党も農業は守れません。世界人口のわずか2%の日本が、貿易に出回る農産物の10%を輸入しています。WTOにもアメリカなど大国の干渉にも動じない食糧主権の確立、自給率の抜本的引き上げが大切です。