国と自治体は雇用確保に本腰入れよ
厚生労働省が2月27日に発表した愛知県内の非正規労働者の解雇・雇い止めなどの2月集計結果によると、昨年10月から今年3月末までの離職者数は2万3892人にのぼり、1月発表の2万113人より4千人近く増加しました。
派遣労働者は1万3872人で58%を占め、期間工など契約社員は7292人で30%となっています。
低賃金で「出稼ぎ」の多い非正規雇用労働者の場合、クビを切られ、寮退去になれば即ホームレスです。
派遣のうち期間満了が9145人、中途解約も4727人あります。これらの中には、雇用契約法違反や3年以上派遣勤務をしていながら派遣先企業が直接雇用を申し出ないまま解雇・雇い止めされたケースが少なくないと見られます。
昨年10月に中途解約された男性(37)は「今年3月までの契約でした。愛労連に相談し、仲間5人と組合を作り、派遣会社と交渉しました。仕事がなく契約の延長はできませんでしたが、3月までの生活補償金を出させることができました」と語っています。
厚労省の調査は任意の聞き取りで、対象は県内78事業所。「全体像がつかまれていない」との批判があります。不十分な調査でも県内の「非正規切り」は全国最悪です。
非正規労働者の解雇・雇い止め状況
非正規労働者の解雇・雇い止め状況 | ||||||
派遣 | 契約 | 請負 | その他 | |||
期間満了 | 9,145 | 6,775 | 133 | 133 | ||
中途解約 | 4,727 | 517 | 1,447 | 87 | ||
不明 | 0 | 0 | 928 | 0 | ||
計 | 13,872 | 7,292 | 2,508 | 220 | ||
愛知労働局2月27日発表。契約は期間工など。 |
08年平均 県内完全失業者 11万5000人も
愛知県が2月16日に発表した就業状況によると2008年平均の完全失業者は11万5千人(失業率2・9%)で07年より7千人増加しました。
年齢別は、15~24歳が5・2%と最も高く、次いで25~34歳が4・2%と、若年層で高い失業率になっています。
愛知県の担当者は「統計は08年の平均。昨秋以降の景気後退で、現在の完全失業者は大幅に増大していると思われる」と話しています。