24時間営業のマンガ・インターネット喫茶店(ネットカフェ)が、昨年来の「派遣切り」で職を失った人の“簡易宿泊所”になっています。
名鉄小牧駅前のマンガ喫茶を利用している男性(29)。「1月末で契約が切れ、2月初めに派遣会社の寮を出た。マンガ喫茶やサウナに泊まって仕事を探している」
マンガ喫茶の店員は言います。「昨年末から新顔のお客が増えている。金がないのか飲食物は注文しない」
青年の雇用・労働条件改善に取り組んでいる「名古屋北部青年ユニオン」が調査隊をつくり、このほど名古屋市中区内のネットカフェを回り、店員から状況を聞きました。
「11月から3カ月ほど長期滞在されている方がいました。どうも仕事がなくなったようです」
ネットカフェの長時間滞在者が増えています。ベッド室やシャワーがあり、ご飯やパンが食べ放題という店もありました。
「8時間ナイトパックの開始時間を午後6時に前倒ししました。14時間使っていただけます」と店員。日が暮れると、ネットカフェに行けば“宿”を確保できるわけです。
しかし、それも手持ちの金があればで、なくなれば、野宿するしかなくなります。
国や自治体が窮地に陥っている“ネットカフェ難民”に相談窓口や就職・住居確保支援の施策を知らせることが必要です。しかし、調査隊が訪問した6店では、行政が啓発パンフレットを配るなどの働きかけは何もありませんでした。
ユニオンの活動案内チラシを快く置かせてくれる店もありました。
「ネットカフェ調査をつうじて非正規切りにあった方の存在が浮かび上がったように感じます。ユニオンの取り組みに多くの共感がありました」と参加メンバーは語っています。