「JMIU」と略称される全日本金属情報機器労働組合が脚光を浴びています。今度のアメリカ初の金融危機不況で、企業に「雇い止め」されそうな外国人労働者や派遣労働者の「駆け込み寺」となっています。その活動がマスメディアにも注目され、ニュースにしばしば登場しています。JMIU愛知地方本部の平田英友執行委員長に話を聞きました。
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JMIUは製造業を中心とした一人でも入れる労働組合です。労働相談活動を通じ、組合員拡大に取り組み、昨年8月から300人以上が新しく組合に入りました。
昨年11月から労働相談の件数が急激に増え始めました。12月だけで100件を越えています。
相談の内容は解雇、賃下げがほとんどです。組合結成以来労働相談を行っていますが、これだけ解雇や給料未払いの相談が集中してくるのは初めてです。毎日、2~3ヵ所の団体交渉をはしごしています。
派遣会社と団体交渉すると「仕事が来なくなった。どうしようもない」の一点張りですが、その派遣会社の正社員ですら、解雇の恐怖におびえています。
中小・零細の職場は常に倒産の危機と隣り合わせです。大企業の3次、4次下請けとなると、この間の不況で仕事が3~4割に減ってしまったところもあります。
派遣契約の期限切れを迎える3月末までに職を失う労働者が大量に出ることが予想されます。
そもそも労働者派遣法自体を変えなければならないと、強く感じています。他人の労働を利益にしてはいけません。労働者派遣法を労働者保護法に変えるべきです。
少なくとも、登録型派遣や製造業現場への派遣は緊急にやめさせなければなりません。
私は労働相談の中で「一人でたたかっても追い出されるだけだから、切られている派遣仲間と一緒に来なさい」とアドバイスしています。
実際に組合員を増やして、契約社員として直接雇用を勝ち取った元派遣社員もいます。
今年の春闘では「賃上げも雇用も守ろう」と10000円以上の賃上げ要求を掲げてたたかいます。賃上げをいえないようでは雇用自体も守れません。
JMIU愛知地方本部は今年で結成20周年を迎えます。歴史と伝統にふさわしい、まともな労働組合として役割を果たしていきたいと思います。