愛知県内の病院の2割以上が診療科の休止や救急患者の受け入れ制限をしていることが分かりました。
命削る自公政権の失政
愛知県が県内の20床以上の全病院(334)を対象におこなった調査によると、今年6月末現在医師や看護師の不足から診療制限している病院は67病院(20・1%)にのぼっています。
診療圏別では尾張西部(一宮市、稲沢市)が20病院中6病院(30%)と最も多く、名古屋市(134病院)でも27病院(20・1%)となっています。
診療制限の内容は、全面休止17、入院休止18、分娩休止10、時間外救急受入制限16となっています。
診療科別では、産婦人科が70病院中19病院(27・1%)、小児科では137病院中16病院(11・7%)が診療制限しています。
地域の中核病院となっている自治体立病院の診療制限は地域住民にとって深刻です。
稲沢市民病院では入院を伴う産科診療を中止。小児科の夜間・休日の救急治療は休止になっています。このため出産や子ども救急外来は、一宮市にある愛知厚生連尾西病院に行かざるをえません。稲沢市内で発生した救急車による搬送先も約3割が一宮市となっています。
新城市民病院は昨年産婦人科を休診。小児科は外来のみとなりました。その後、医師が確保でき、婦人科を再開しましたが、分娩入院を伴う産科はおこなっていません。
東三河医療圏(新城市、設楽町、東栄町、豊根村)内には分娩ができる医療機関はなく、豊川市や隣県の浜松市内の病院で出産しています。
今年4月から夜間の救急受け入れを午後8時から翌朝午前8時まで制限した名古屋市内の病院の事務長は「3月までは24時間受入れていましたが、年度末に外科医が退職しました。夜間当直は内科医だけの時もあります。交通事故患者の夜間緊急手術ができなくなりました」と苦しい実情を話しています。
医師の増員を せこゆき子元衆院議員
病院の診療制限の最大の原因は「医者が増えると医療費が膨張する」といって医師養成数を減らし、世界でも異常な「医師不足の国」にしてきた自民党の社会保障費政策にあります。
毎年、国の社会保障費を2200億円削減する医療費抑制策によって、診療報酬削減や自治体立病院の民営化・統廃合など公的医療を切り捨てる自民・公明政権の「構造改革」が地域の医療崩壊を加速させています。
日本共産党は、深刻な医師・看護師不足を打開し、国民が安心してかかれる医療提供体制を守り拡充するため、▽特に深刻な産科・小児科を確保するための公的支援▽医師養成数の抜本的増員▽医療の安全・質の向上、医療従事者の労働条件改善、診療報酬引き上げ――を国や自治体に求め、党派を超えた共同の取り組みを広げます。