日本共産党の最前線で活動する地方議員。同党愛知県委員会は19、20両日、夏期研修会を開きました。
蒲郡市内の会場に議員ら105人が集まりました。受付で驚いたのは配布資料の多さ。せこゆき子元衆院議員が「省庁交渉の成果を役立ててほしい」と持ち込んだ資料だけでも72ページ。講演資料、議員が持ち寄った地域新聞など多彩。
会議室前には地方政治の専門書が並べられ、議員が買い求めていました。学習意欲の強さがうかがわれます。
最初の講演者は同党県委員会の林信敏自治体部長。福田内閣の「骨太の方針」、道州制、「自治体財政健全化法」といった地方政治の問題を説明しました。
林氏は財政健全化法の影響で国保税引き上げや自治体病院リストラなど「地方行革」が加速されつつあると警告。「財政問題に強くなろう」と訴えました。
議員から財政問題の連続講座の開設を求める声が出ました。
今回の目玉は党本部から招いた藤森毅文教委員会責任者の教育問題の講演。
藤森氏は、子どもが伸び伸び育つデンマークの子育て環境と教育を紹介。会場から「教育の素晴らしさを実感した」と声があがり、自民党流の競争主義「教育改革」の異常さが浮き彫りになりました。
同氏は、憲法の民主教育の原則を生かし改悪教育基本法の具体化に対抗することを強調しました。
国政復帰をめざすせこ氏は、雇用促進住宅の廃止反対、農作物の鳥獣被害防止など最近の政府省庁との交渉内容を報告。地方議員に国会議員の必要性を実感してもらおうと熱弁をふるいました。
つづいて6人の地方議員が市民病院、農業、「地方行革」問題、総選挙の取り組みを紹介しました。
夕食後におこなわれた新人議員交流会では、「議員は要求を聞いてなんぼの仕事」と470件の住民要求を行政に届け、党勢を拡大している活動が紹介され、感動を呼びました。
2日目午前は、医療・福祉、産業・まちづくり、教育・学童保育、民間委託・民営化、環境・防災の各分科会で活動交流が行われました。
午後の全体会では、八田ひろ子元参院議員のあいさつに続き、佐々木憲昭衆院議員が早期解散の可能性が生れている国会情勢を報告。小樽商科大学出の同議員はいまブームの『蟹工船』の著者・小林多喜二の後輩。現状打開を求める若者の読後感想文を紹介し、衆院選での日本共産党の勝利を訴えました。
最後に、岩中正巳県委員長が早期解散・総選挙にそなえ、地方議員に猛奮闘をよびかけました。
ベテラン議員が「消化不良になりそう」と言うほど濃密だった研修会。「国民の苦難解決こそわが党の存在意義」という閉会あいさつで終わりました。