東海市から常滑市インターチェンジを結ぶ自動車専用道路、西知多道路の建設計画が進められています。
愛知県が計画する西知多道路は全国的な自動車交通網を構成する高規格幹線道路と一体に整備される地域高規格道路の一つ。県は7月、東海、知多、常滑の3市で住民説明会を開き、「交通渋滞の緩和」など地元の利便を強調しましたが、同道路の主な目的は名古屋都心部から中部国際空港へのアクセス道路です。
名古屋都市高速道路4号線が現在、2010年開通を目指して名古屋市内から東海市へ延長する工事が急ピッチで進められています。
西知多道路は名古屋高速や第2東名、伊勢湾岸道と中部国際空港を結ぶもの。県は国に「早期事業化」を要望しています。
現在片側2車線の西知多産業道路を3車線に拡幅する案や新たに高架道路を作る案が出されています。
しかし、中部国際空港の航空需要は2005年開港後、減少傾向が続いています。2007年度実績は、06年度に比べ旅客で98・5%、国際貨物で86・7%に落ち込んでいます。
そのうえ石油価格高騰が航空会社の経営を直撃。中部空港から国際線、国内線の減便、路線撤退が進んでいます。第2滑走路建設に力を入れる神田知事ですが「航空需要は思わしくない」と苦しい表情です。
中部国際空港への自動車専用道路としては開港に向けて、知多横断道路が開通しました。しかし航空需要の減少にともない、中部国際空港への自動車利用量や空港内の駐車場利用量も減っています。
福田内閣は、道路特定財源見直しの世論に押され、2009年度からの一般財源化を閣議決定しました。
無駄な道路建設の仕掛けは、大企業の流通円滑化の要求にこたえるため、利用予測を過大に見積もることです。過大投資のツケは県民に回されます。
愛知県は西知多道路の将来需要予測を示していません。日本共産党は「需要を無視した大型開発」と批判し建設中止を求めています。