愛知民報

【08.07.27】消費税大増税 基礎年金の「全額税方式」 全サラリーマン負担増に

佐々木憲昭衆院議員が講演

 
 消費税をやめさせる愛知連絡会など3団体は18日、名古屋市内で学習交流会「おかしいぞ 社会保障財源=消費税」を開き、約130人が参加しました。日本共産党の佐々木憲昭衆院議員が講演。政府・財界が考えている社会保障を口実にした消費税増税のキャンペーンの手口を明らかにし「消費税増税を断念させるたたかいを広げよう」と呼びかけました。佐々木氏の訴えを紹介します。

 
 財界、政府・与党は6月から再び消費税増税のキャンペーンを張り始めています。

 「社会保障の財源」いう口実は1988年の消費税導入以来何度も繰り返されてきました。しかし、導入後の20年間、社会保障はよくなっていません。税率が3%から5%に増税されたうえに、社会保障の国民負担も増えました。事実をもって告発する必要があります。

 「基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げる」という議論では、福田首相はこの財源を消費税でまかなうと言っています。これはおかしい。所得税・住民税の定率減税の廃止理由は、基礎年金国庫負担の引き上げではなかったか。

 定率減税の廃止で国に入ったお金は2兆8000億円。国庫負担引き上げに回った分は6780億円。残り約2兆円はどこへ行ったのか。

 国会で財務大臣に質問したら「国の財政の赤字穴埋めに使いました」という答弁でした。このうえ、消費税を増税したら、税の二重取りです。

 基礎年金を消費税増税による「全額税方式」にすると、サラリーマンの家計負担は増えます。

 毎年の保険料収入は労使合わせて20兆円です。うち7・5兆円が基礎年金財源に拠出されています。これを消費税増税でまかなうと、その分、保険料は下がっても、消費税の負担増と社会保険料控除が減ることによる所得税・住民税の増加を合わせると、すべてのサラリーマンが負担増になります。

 大企業は保険料の事業者負担分が減り、さらに消費税の増税分を価格に転嫁できます。
 しかし、自営業者は国民年金の掛け金がなくなって負担減になったとしても、事業者として納税しなければならない消費税があります。多くの場合、商品価格に転嫁できない。身銭を削って納税すると負担増にならざるを得ない。「全額税方式」はサラリーマンにとっても、自営業者にとってもマイナスです。