愛知民報

【08.06.22】07年度 愛知県 精神障害の労災申請過去最高

自殺 前年の倍

 愛知県内で、業務による過労が原因と見られる労働者の死亡に労働災害保険の適用を求める労災申請が増大していることが本紙の取材でわかりました。なかでも、自殺を含む精神疾患を理由とする申請が急増しています。ストレスが原因と思われます。

 愛知労働局によると2007年度、精神疾患は前年度より10人多い46人で過去最高です。うち自殺者は倍増し、10人にのぼっています。脳・心臓疾患の申請者数は前年度と同じ46人。

 しかし、申請に対し労災認定は厳しいものとなっています。07年度の認定は精神疾患6人(認定率13・04%)、脳・心臓疾患15人(認定率32・61%)という状況です。

 労災保険を扱う労働基準監督署に申請しても労災と認められず、裁判に訴えるケースが少なくありません。トヨタ社員の内野健一さんの過労死裁判は、業務上の過労が原因と認められ、労災保険の遺族補償が支給されたケースです。

 労働厚生省は労災認定基準を「発症前1カ月間に月80時間を超える」または「発症前2~6カ月間に月80時間を超える」残業としていますが、認定基準の見直しが必要です。

遠慮せずに相談を 過労死弁護団全国連絡会議

 過労死弁護団全国連絡会議は「本人はもちろん、家族や同僚が遠慮せずに相談してください。医師を紹介し、症状が改善したり、弁護士のアドバイスで労災認定された例もあります」と話しています。

 同連絡会議の愛知県の主な連絡先は次の通り。

 水野幹男法律事務所052・221・5343、名古屋第一法律事務所052・211・2236(佐久間信司弁護士)。

働くルールつくる 日本共産党 八田ひろ子さん

 私は参議院議員の時、国会でサービス残業、ただ働きの実態を追及し、政府に「残業規制」の通達を出させました。

 日本の異常な長時間労働が過労による「うつ病」などの心の病や自殺の増加をもたらしています。労働者が人間らしく安心して働けるルールづくりが必要です。