愛知民報

【08.06.01】労働者の声 国政へ トヨタのQC残業代 日本共産党国会議員団の論戦実る

 トヨタ自動車は5月22日、労働者が勤務時間外におこなうQC(品質管理)サークル活動について、これまで残業代の代わりに支給していた月2時間を上限とする手当を6月から拡大することを決めました。

 トヨタ自動車のQC業務扱いの背景には、同社のサービス残業根絶、未払い残業代の支払いを求めてきたトヨタ労働者の運動やQC活動を業務認定したトヨタ社員過労死裁判の名古屋地裁判決があります。

 見落とせないのが日本共産党国会議員団の活動です。国会で280回以上もサービス残業、ただ働きの実態を追及。政府に「是正」の通達を出させ、昨年までの5年間で852億円の未払い残業代を支払わせています。

 トヨタ関連の問題を取りあげた八田ひろ子元参議院議員の国会質問が光ります。

 八田さんがサービス残業根絶、異常な長時間労働是正を求めておこなった国会質問は17回にのぼります。

 2001年12月の国会では、トヨタグループの労働者の妻から寄せられた「このままではお父さん過労死する」の悲痛な手紙を読み上げ、厚生労働相に長時間労働の規制を要求。03年に長時間残業を規制する通達を出させました。

 小泉首相(当時)とも3度にわたり論戦。八田さんは大企業の男性労働者の5人に1人が年間3000時間労働という異常さを追及。首相は大企業の長時間労働は「行き過ぎ」と答弁。話題となりました。

 トヨタ社員の過労死判決をうけ、3月27日、日本共産党の小池晃参院議員が政府に迫りました。「QC活動は『隠れたサービス残業』だ。名古屋地裁判決にそって厳しく指導監督する必要がある」。

 舛添厚労相は「地裁判決の趣旨にそって労働行政を行っていきたい」。

 この答弁を受け、トヨタ自動車は「QC活動のあり方については、今後とも関係法令や国の指導に基づき適切に扱う」と態度を発表しました。

 こうした流れが、今回のQC活動の残業代支払い拡大につながりました。