愛知民報

【08.06.01】公立保育所給食 自園方式を守れ 外部搬入県内21市町村で

 いま公立保育所の給食のあり方が問題になっています。給食を保育所外部から搬入する動きにたいし「自園調理方式を守れ」の運動が広がっています。

 保育所給食は乳幼児の健全な心身の成長をささえる「食育」です。国が定めている児童福祉施設最低基準は、「自園調理方式」を当然の前提として、保育所内に調理室の設置を義務づけています。

 ところが、学校給食の自校調理から給食センター調理への移行に便乗し、給食センターでつくった給食を保育所に持ち込む「外部搬入方式」に切り換える自治体が現われています。最低基準が調理方式を明記していない曖昧さを利用し、外部調理で経費節減をねらったものです。

 愛知県内では、21市町村(表)が外部搬入です。豊田市は民間の給食センターに委託しています。

 特別な配慮が必要な3歳未満児の給食も、7市町が外部搬入でおこなっています。

 国は今年4月、最低基準を改定し公立保育所給食の自園調理方式を義務化する一方、「構造改革特区」の指定を受ければ、外部搬入方式を容認するとの特例を設けました。規制緩和の抜け道をつくったわけです。

 県内の外部搬入は特区路線の先取り。そこでは「中学生と同じ給食が幼児に出される。保育士が濃い味のカレーは牛乳で薄め、大きな具は細かく切り刻んで食べさせている」「夏休みで学校給食センターが休みの時はパンやひやむぎが毎日出される」という状況も。

 
 ともかく、この4月1日以降は、明確に公立保育所の外部搬入方式は最低基準違反になりました。

 「保育所給食の自園方式を守れ」と運動している日本共産党のせこゆき子元衆議院議員は4月24日、厚労省に説明を求めました。

 同省担当者は「改正前の最低基準でも自園調理が基本。愛知のケースは違反状態」と説明しました。

 せこさんや外部搬入方式を採用している自治体の日本共産党議員らは5月23日、愛知県庁を訪れ、「県は自園方式の立場で市町村を強く指導し、外部搬入や特区を容認すべきでない」と県の対応を求めました。

 県側は「外部搬入でも良いとは言っていない」と弁解しつつ「一番いいのは自園方式。市町村に対し最低基準を守らないと違反だと指摘する」と答えました。

保育所給食の外部搬入実施の自治体(★印は3歳未満児も実施)

★豊川市、安城市、蒲郡市、常滑市、稲沢市、★田原市、清須市、北名古屋市、★豊田市、★東郷町、長久手町、★春日町、蟹江町、甚目寺町、★阿久比町、一色町、吉良町、幡豆町、三好町、★設楽町、豊根村