愛知県は、トヨタ自動車が豊田・岡崎地区に建設を予定している大規模研究開発施設の用地造成事業を、総事業費が不明のまま進めています。
建設予定地は豊田市(旧下山村)と岡崎市(旧額田町)にまたがる山林など660ヘクタール。愛知県企業庁が地権者から土地を買収し施設用地をつくります。用地はトヨタに売却され、周回路6キロメートルのテストコースのほか研究開発施設を建てる計画。
企業庁は事業着手の昨年度は約14億円、今年度は約222億円を環境調査や用地買収の経費として予算計上しました。同庁内に研究開発用地開発課を新設し職員51人を配置しました。
造成完了まで約5年といわれ、総事業費はばく大になると見られます。企業庁は総事業費を明らかにしていません。担当者は「まだ総事業費を出していない。今年度中には概算を出したい」といいます。総事業費が不明のまま、これまでに計約236億円の公費支出が決定されたわけです。
自治体の企業誘致競争が激化するなかで、他県では大企業に事業費を下回る原価割れで造成用地を売却。企業会計の損失分を一般会計からの補助金で補てんした例があります。県民の血税を使った大企業優遇です。
公金支出に県民のきびしい監視が求められます。