最近は朝食を取らずに登校する小中学生が増加しています。食生活は、子どもの学習意欲や体力、気力などに大きな影響を与えます。
高学年ほど朝食抜き
文部科学省が全国3万600人の小中学生を対象に実施した2005年度の朝食摂取状況調査によると、「週に食べない日がある」と答えた小学生は15%、中学生で22%あります。
「いつも食べない」は小学校3年生3%、同5年生5・5%、中学1年生7・5%、中学校3年生8・5%と、高学年ほど朝食抜きが増大しています。「毎日食べている」と回答した子どもに何を食べたかと聞いてみると「バナナ1本」とか「ビスケット数枚」も多数あります。
欠食理由は「時間がない」
日本スポーツ振興センターが2000年におこなった食生活の実態調査によると小学校男子の欠食理由は「時間がない」36・5%、「食欲がない」36・3%、「朝食が用意されていない」8・9%、「太りたくない」2・1%。欠食理由は小学生女子や中学生男女も同じです。
これは児童・生徒の生活習慣が原因と考えられます。朝食を食べない児童・生徒ほど睡眠時間が少ない傾向があります。「朝起きるのが遅く食事をせず登校」「夜遅くに間食して朝は食欲がない」と答えています。
肥満・痩身の増加
不規則な食生活は、子どもの肥満や痩身の要因になっています。子どもの肥満は成人肥満につながる可能性が高く、痩身は貧血症などを起こします。文部科学省の学校保健統計調査によれば、小学6年生の肥満傾向児(平均体重の120%以上)は1980年、7・1%、92年8・9%、03年10・8%と増加しています。一方「不健康なやせ」といわれる痩身傾向児(平均体重89%以下)の子どもも82年1・5%03年3・2%と倍増しています。
体力に影響
朝食摂取状況別の20メートル往復持久走結果では、小中学生の男女とも朝食を毎日食べている子どもの方が走れる回数が多くなっています。