愛知民報

【08.04.06】設楽ダム 建設の是非問え  

住民投票求める会発足

 国土交通省が豊川上流の北設楽郡設楽町に建設を計画している設楽ダムにたいし、住民投票で建設の是非を問えという運動が始まります。

 3月15日、設楽町の住民が「設楽ダム建設の是非を問う住民投票を求める会」を設立しました。今後、町にたいし住民投票条例の制定を求める直接請求に取り組みます。直接請求に必要な署名数は有権者の50分の1以上。同町では約110人です。

 同会の設立趣意書では「設楽町長が住民の声を確認しないまま急いで『ダム建設同意』を宣言してしまうのでは」と懸念し、「進むも退くも設楽町民自身が選択し、納得し、将来に禍根を残さぬようにすべき」と述べています。

 発起人の一人で元学校長の伊奈紘さんは「ダムを作るなという運動と同時に町おこし、町づくりの運動を車の両輪として進めていきたい」と話しています。

設楽ダム建設予定地

知事、県議会賛成したが問題だらけ 

 愛知県の神田真秋知事は3月25日、冬柴鐵三国土交通大臣にたいし設楽ダムの基本計画案に同意すると回答しました。

 県議会の自民・民主・公明各党は知事同意に賛成、同ダムの建設中止を求める約8千名の署名を付けた請願の紹介を拒否。このため同請願は採決に付されない陳情扱いとされました。

 東三河の地方紙は「愛知県議会は共産党議員が1人もいない。反対住民グループが反対請願を出す準備を進めたが、頼みにしていた民主党議員にも断られ、取り上げられなかった」(3月24日付「東日新聞」)と報じています。

 設楽ダムの基本計画案は総貯水容量9800万立方メートル。内訳は洪水調節1900万立方メートル、流水維持6000立方メートル、農業用水700万立方メートル、水道用水600万立方メートルなど。総事業費2070億円、完成目標は2020年度。

 天然記念物ネコギギがすむ自然環境の破壊、大量移転と地域衰退、節水時代に逆行する過大な水需要予測が問題になっています。