愛知民報

【08.03.16】06年度 有害化学物質排出量 愛知県が全国最多 

 環境省と愛知県は2月23日、「2006年度化学物質排出量集計」を発表しました。それによると発がん物質を含む有害化学物質の排出量は愛知県が全国最多でした。同省が化学物質排出掌握管理促進法にもとづき、企業が届け出たデータの集計をはじめた2000年度以降、愛知県の“健康リスク全国トップ”が続いています。

発がん物質の排出量 4トントラック12台分

 愛知県の一定規模以上の事業所が年間に取り扱っている化学物質の量は400万¥外字(845c)(前年比3・1%増)。うち大気など環境への排出量は1万7795トン(前年比12・3%減)。廃棄物として事業所外に持ち出された移動量は1万5813トン(前年比3・9%減)でした。排出量、移動量のいずれも愛知県は全国最多です。

 化学物質の排出量の多い業種は輸送用機械器具製造業6872トン、プラスチック製品製造業2549トンの2業種。県内排出総量の5割を超えています。移動量が多いのは鉄鋼業4562トン、次いで化学工業3891トンとなっています。

 物質別では排出量、移動量ともに最多がトルエン。自動車の塗装溶剤として使用されています。地域別では西三河地域が最も多く5531トン。県内排出量の31%を占めています。

 愛知県は自動車製造が全国一ですが、その関連事業所から大量の化学物質が排出されていることがうかがわれます。

 人に対する発がん性のある特定第1種指定化学物質の排出量約49トンは前年度より約10トン(17%)減ったとはいえ、4トントラック12台分が環境中に放出されているわけです。

 前年は排出量ゼロだったベリリウム及びその化合物が441キロ排出され、カドミウム及びその化合物、六価クロム化合物も前年度より増加しました。

【化学物質排出量集計】
 環境省がPRTR法(化学物質排出掌握管理促進法)にもとづき、人間や動植物に悪い影響をおよぼすおそれのある354種類の化学物質を、事業所から大気などに排出した量や廃棄物として移動させた量を届けさせ集計したもの。愛知県は独自に取扱量も届けさせている。