愛知民報

【08.03.02】後期高齢者医療制度 日本共産党・わしの議員 実施中止、撤回を要求 

予算可決したが非情浮き彫り

 75歳以上の高齢者に保険料負担増と差別医療を押し付ける後期高齢者医療制度に高齢者ら国民の怒りが広がっています。

 愛知県で新医療制度を運営する愛知県後期高齢者医療広域連合(連合長・松原武久名古屋市長)の定例議会が2月15日開かれ、4月実施にむけた2008年度の予算案を可決しました。日本共産党のわしの恵子議員(名古屋市議)は、予算案に反対しました。

独自減免を拒否

 後期高齢者医療制度は月額1万5千円以上の年金から保険料を天引き徴収する仕組み。収入が年金天引き水準未満の高齢者は市町村役場に保険料を納めます。

 保険料を長期滞納すれば保険証は資格証明書に切り替えられ、病院窓口でいったん全額負担が求められます。限られた収入しかない高齢者には過酷な制度です。

 わしの議員は松原連合長にたいし「厚生労働省は広域連合独自の保険料減免や市町村の独自助成を認めている。東京都の広域連合は独自に保険料軽減を決めた」として保険料の減免制度を設けるよう求めました。

 同連合長は保険料の法定減免を超える広域連合の減免措置を拒否。さらに「独自助成は市町村の判断だが、県下一律の制度なので慎重に判断されるべき」と市町村の独自軽減策にも否定的な態度をとりました。

「制度知らない」

 広域連合によれば、県内61市町村のうち、たった1回でも制度説明会を実施したのは半数の31市町村。多くの高齢者は制度の内容を知りません。

 わしの議員は「半数しか実施していないのは問題。各区ごとに実施した名古屋市でも住民の疑問、質問に十分に答えていません。住民の意見も聞かず、制度の強行は許されません。実施中止、制度撤回しかありません」と強調しました。