愛知民報

【08.01.27】欠陥だらけの後期高齢者医療制度 中止・撤回しかない

75歳以上の高齢者に重い負担を強いる後期高齢者医療制度の4月実施を前に、従来自治体が独自におこなってきた国民健康保険の保険料(税)の減免制度が適用されないなどの問題点が次々に明らかになり、実施の中止を求める世論が高まっています。

保険証取り上げも

 名古屋市では新制度実施で、75歳以上の高齢者はこれまでの国保の減免制度からはずされ、8万2000人の保険料負担が大幅に増えます。なかでも保険料が全額免除されている5万5109人は、無年金・無収入でも年額1万2千円の保険料をとられます。

 国保では「高齢者の保険証の取り上げは命にかかわる」として70歳以上の高齢者には、病院窓口で医療費全額患者負担になる資格証明書を発行してきませんでした。
 ところが、後期高齢者医療制度では、保険料滞納者から保険証を取り上げ、資格証明書に切り換えられます。

 名古屋市で介護保険料を12カ月以上滞納(07年3月末)している75歳以上の高齢者は1040人。これらの人たちは後期高齢者医療制度の保険料もやはり払えず、保険証を取り上げられるおそれがあります。

 65歳以上の障害者は現在の障害者医療に残るか後期高齢者医療に移るかの選択を迫られています。新制度では医療内容に差があるため障害者から不安の声があがっています。日本共産党議員に障害者らから「国保料が高いので移行したいが、医療内容が不明で決められない」と、相談が寄せられています。