愛知県労働組合総連合(愛労連)の羽根克明議長に2008年春闘について聞きました。
3つの課題
年があけ、08春闘はいよいよ本番です。
愛労連は8日、トヨタ自動車名古屋本社がある名古屋駅前のミッドランドスクエア前の新春早朝宣伝から春闘をスタートさせました。
全労連などでつくる国民春闘共闘委員会は今年の春闘スローガンを「なくせ貧困、ストップ改憲」としています。
格差と貧困は大きな社会問題となっています。トヨタなどの大企業が史上空前の利益をあげ、この数年で株主配当を4倍にしています。一方、労働者の賃金は9年連続で減少するなど労働者の暮らしは圧迫されています。
働く人たちの3分の1が非正規労働者です。若者や女性では半分が非正規です。年収200万円以下の人が1000万人を超える、とんでもない事態となっています。年金や医療改悪で国民生活はますます苦しくなっています。このような事態に財界も内需拡大を言わざるえない状況です。今年の春闘は国民から注目され、期待されています。
愛労連は3つの課題をもって春闘に取り組みます。第1は格差と貧困をなくし暮らしを守ること。第2は改憲を許さず平和を守ること。第3は政治を変える春闘にすることです。
これらの課題は私たちの運動いかんで大きく前進させることができる面白い春闘です。
国民が動かす
国民の怒りが爆発したのが自公が大敗した昨年の参院選でした。
安倍前首相が投げ出した政権を引き継いだ福田首相は、一定の手直しせざるをえなくなりました。
テロ特措法の期限切れで昨年11月にインド洋から自衛隊が撤退しました。政府の意思によらずに自衛隊が撤退したのは初めてです。与党は衆院で数の力で新テロ特措法を再可決しました。しかし国民多数は自衛隊の給油再開に反対しています。
愛知県では参院選後に審議された最低賃金が694円から719円へと20円の引き上げとなりました。わずか20円のアップですが、近年にない大幅アップです。これも参院選で示された、人間らしい働き方を求める国民世論の反映だと思います。
トヨタなど大企業の社会的責任を問う運動も前進しました。企業7社などの責任を問うた東京大気汚染裁判での勝利的和解、なによりも愛知のトヨタ過労死労災認定訴訟の勝利です。QC運動や創意工夫運動を業務と認めた画期的判決です。
政治を変える
憲法改悪に対する運動は大きく進んでいます。
11万人以上が集まった教科書検定意見撤回を求める沖縄県民集会、愛知の航空自衛隊小牧基地をはじめ米軍・自衛隊基地の機能強化に反対する運動が全国で広がっています。
「9条の会」が全国で7千近くになり、愛知県でも小学校区単位に次々と結成され、県内の会は270を数えています。
発足当初は5割を超えていた福田内閣の最近の支持率は3割台です。福田内閣の賞味期限は3カ月もたないといえます。
小泉政権が推し進めた「構造改革」路線は誰が首相になっても行き詰まることは明らかです。
今年は解散・総選挙が予想されます。国民の暮らしと平和のため、多彩な草の根の運動と結んで、政治を変える春闘にしたいと思います。