国民が政治動かす時代
最近、県内自治体への請願運動に数千人から1万人規模の賛同署名が集まっています。
産廃処分場建設反対、公立保育園存続など要求は様々ですが切実です。トヨタ社員の過労死労災認定、薬害肝炎被害者のたたかいは「立ち上がれば変えられる」という確信を広げています。
「国民の声が政治を動かす時代」。日本共産党は昨夏の参院選後の情勢をこう特徴づけました。的確です。
巨大体育館に納得できぬと一宮市民
一宮市で、市民の生活難や地場産業の不振が続く中、新総合体育館建設計画の「凍結・見直し」を求める声が上がっています。
同市は市北部の光明寺町にあるごみ処分場跡に、3つのアリーナ(競技場)を持つ総合体育館の建設を計画しています。総工費75億円、2008年度着工、10年度中の竣工を目指しています。運用開始後の年間維持費は約3億円かかるといわれています。
市民の知らないうちに行政主導で、巨額の建設費や建設場所の具体化がすすめられました。日本共産党も参加する「市民こそ主人公・安心して暮らせる一宮をつくるみんなの会(みんなの会)」は、昨年7月から同計画の「凍結・見直し」をもとめる請願署名運動を始めました。昨年9月30日には、全ての町内会長にも参加を呼びかけ、討論集会を開きました。12月の市議会には1万793人分の署名を添えて請願を提出しました。
一方、建設推進派は、12月議会に「総合体育館を計画通り建設を進める請願」を提出しました。賛同署名はわずか34人でした。
議会最終日の本会議で「凍結・見直し」と「推進」の双方の請願が審議されました。
日本共産党の板倉正文議員は凍結・見直しを求め討論に立ち、財政問題、交通問題のほか、市中心部にある産業体育館が改修もせずに放置されてきた問題を指摘。一点集中ではなく地域ごとに歩いていける体育館を作るべきと主張しました。
推進議員は「人口37万人の市で総合体育館がないのは一宮市だけ」「20年越しのプロジェクト」などと主張。推進の請願を採択し、凍結・見直しの請願を不採択にしました。
市は建設費を尾西市、木曽川町との合併に伴う特例債でまかなうといいますが、借金に変わりはありません。市民は「説明不足」と怒ります。「みんなの会」の伊藤幸康事務局長は「総合体育館の建設予定地は現在、ソフトボール場として使われています。ソフトボール愛好者も怒っています。民主系の2議員も見直しの請願に賛成しました。もっと世論を広げられる可能性があると感じています」と話しています。