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ハチクマ営巣
万博やめ保護策を
共産党が県に申し入れ
2002年2月28日 「しんぶん赤旗」
日本共産党愛知県委員会(岩中正巳委員長)と同愛知県議団(きしの知子団長)は27日、一部が愛知万博会場に計画されている愛知県瀬戸市の海上(かいしょ)の森で、絶滅危ぐ種の猛きん類、ハチクマが営巣していたことが、県民の多くに隠されていた問題で、保護策が確立するまで万博に関係する工事をしないことなどを求める神田真秋知事への申し入れをしました。
博覧会協会は、昨年7月に同森内での営巣を確認していましたが、広く県民に知らされていませんでした。
申し入れでは、オオタカなどの保護マニュアル同様、二営巣期以上調査し、保護策を確立することや、万博の中止なども求めました。
2002年2月27日
愛知県知事 神田真秋 様
2005年日本国際博覧会協会会長 豊田章一郎 様
日本共産党愛知県委員会 委員長 岩中 正巳
日本共産党愛知県議会議員団 団長 きしの知子
ハチクマ問題に係る愛知万博計画への申し入れ
博覧会協会が、昨年7月に、海上の森で、環境省のレッドデータ―ブックで準絶滅危惧種に指定されているハチクマの営巣を発見していたことが明らかになりました。
県民参加を称していた愛知万博が、愛知万博問題や自然保護に関心をもっている多くの県民に大切な情報を隠していたのです。重大問題です。ここにも、県民合意を無視して、万博計画を強行しようとする国、県、博覧会協会の姿勢があらわれています。
海上の森にハチクマが営巣している可能性が高いことは、これまでも、野鳥の会愛知県支部などが海上の森での飛翔について繰り返し確認しており、環境影響評価書でも指摘されているとおりです。
新聞報道や県当局の説明によれば、この営巣の事実について、昨年10月の「海上地区会場計画モニタリング委員会」と、今月4日に開かれた経済産業省の2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価会環境影響評価書意見検討会自然系分科会に報告されたとのことでしたが、それですむわけではありません。
ハチクマは、環境省のデータ―では準絶滅危惧種ですが、愛知県版レッドデータ―ブックでは、オオタカより絶滅の危険性の高い、絶滅危惧2類に位置づけられており、「海上の森」のオオタカ以上に営巣保護策がとられる必要性があります。県当局は、「博覧会協会の意見として、環境影響評価書でハチクマの飛翔は確認されており、調査しなくても予測評価可能。ハチクマは『猛禽類保護の進め方』(環境省)の対象になっていないので、国際博会場関連オオタカ調査検討会での審議の必要はない」と積極的に保護する姿勢にはたっていないことを明らかにしています。
一昨年10月に開かれたヨルダン・アンマン第2回世界自然保護会議で、「1997年のBIE総会において、日本政府が『自然の叡智』をテーマとする環境万博とすることを表明して、2005年国際博覧会の開催国と認められたことを想起し」「BIEが、2005年に日本国愛知県で開催される国際博覧会が、環境に配慮した万博となるよう、日本政府に対して引き続き適切なアドバイスを行う」ことを求めた勧告を決議したように、「環境万博」の開催こそが、日本が世界に約束したことであり、期待されていることです。
ハチクマに対する国、県、博覧会協会の姿勢は、こうした国内外の声を踏みにじるものです。
こうした趣旨にたって、貴職に以下のことを求めるものです。
- オオタカのマニュアル同様、2営巣期以上の調査を行い、保護策を確立すること。そのために、地元の自然保護団体や専門家による、必要な調査検討会を設置し、県民に公開で審議を行うこと。
- 保護策が確立するまでは、万博にかかわる、いかなる工事も着工しないこと。
- 愛知万博に係るすべての情報を、遅滞なく県民に公開すること。
- 県民無視、環境破壊、過重な財政負担を押しつける「愛知万博計画」を中止し、万博開催を返上すること。
以上 |