【万博】2003.08.04-08.17の動き
●名古屋市と、近隣の18市27町村の首長らが集い、地域間交流などを話し合う懇談会が4日、熱田区の名古屋国際会議場で、松原武久・名古屋市長や各市町村長ら約100人が出席して開かれた。
●愛知万博の入場券発売を前に、愛知県観光協会(会長=箕浦宗吉・名鉄会長)が、万博の入場券を見せれば、観光施設の入場料が割り引かれるサービスを目指し、全国の施設と調整を進めている。過去の博覧会などでは、こうした割引サービスは「聞いたことがない」(県観光協会)といい、協会では、9月25日に迫った前売り券発売の起爆剤にするとともに、県内外の観光振興にもつなげたい考え。
観光協会が“タイアップ”の相手として想定している施設は、自治体や民間企業が運営する博物館や美術館、レジャー施設など。県内各市町村や都道府県を通じて、候補施設を探しているが、特に民間施設からの申し出が好調で、県内では既に30件、これを含め全国では100件以上に上っている。協会では現在、こうした施設と具体的な割引率や特典などを検討中。割引率などは各施設で異なるとみられるが、協会では、割引期間については一律に「チケット販売開始から万博終了まで」としたい方針で、施設に協力を求めている。
●経済産業省は5日、愛知万博の長久手会場(愛知県長久手町)に出展する日本政府館の目玉として、世界初の天球型プラネタリウムを設置することを決めた。上下左右を取り囲む、地球上の様々な自然現象や宇宙空間の映像から、万博のテーマでもある自然と人間のかかわりを感じてもらう考えだ。
●内閣府情報審査会は6日、愛知万博の誘致を巡り、外国政府の投票行動などを分析した公文書を、全面的に非公開とした外務省の決定を取り消し、客観的な事実経過などが記された文書を公開するよう同省に答申した。
審査会は、外務省が非公開とした文書について「各国の投票行動の予測や分析・評価が記述された文書を公にすると、他国との信頼関係を損なう恐れがあるとした外務省の判断は、相当の理由がある」とした。しかし、客観的な事実の経緯や概要、統計的な数値、すでに公表された事実の記載については「公にしたとしても、外国との信頼関係を損なう恐れがあるとは認められない」と判断した。
●名古屋商工会議所は6日、公募していた愛知万博の名商パビリオンのマスコットキャラクターの名称を「タクミン」に決定した。パビリオンのテーマ「モノづくりランド シンフォニア」にちなみ、匠の技などに通じる語感から選んだという。
●シヤチハタ、積水ハウス、日本ガイシ、ブラザー工業、中部日本放送、東海テレビ放送、中日新聞社の7社は6日、愛知万博の長久手会場に建設する共同館を、江戸時代の浮世絵師葛飾北斎の「赤富士」をイメージした外観にすることを明らかにした。
●愛知県長久手町を訪問している同町の姉妹都市ベルギー・ワーテルロー市のミシェル・べッテンドルフ助役(48)は6日、読売新聞の取材に対し、愛知万博の期間中、同町内で「ワーテルローの戦い」を再現したパノラマの展示施設を設置する方向で検討していることを明らかにした。同町の加藤梅雄町長は「実現すれば万博客の一部を誘致するなど、より長久手を売り込む好機となる」と、期待を寄せている。
●平沼赳夫経済産業相は7日、名古屋市で開かれた政府主催の「タウンミーティング」後の会見で、2005年3月に開幕する愛知万博を盛り上げるイベントとして、「X―JAPAN」の元メンバーで、愛知万博のイメージソングを作詞、作曲したYOSHIKIさんや人気ロックグループ「GLAY」を招いた前夜祭を開く構想があることを明らかにした。
●愛知万博バリアフリーアドバイザーで、DPI(障害者インターナショナル)世界会議議長のヴィーナス・M・イラガンさんが7日、名古屋市中村区の博覧会協会を訪ね、愛・地球博でのバリアフリー対策について坂本春生事務総長と意見を交わした。
●政府のIT(情報技術)戦略本部(本部長・小泉純一郎首相)は、8日決定したIT推進行動計画「e−Japan重点計画2003」の中に、同計画最終年度の2005年に開かれる愛知万博で「情報関連技術の実用化と最先端技術の実験を行う」と盛り込んだ。
●愛知万博会場の一部となる海上の森(愛知県瀬戸市、540ヘクタール)の活用方法を話し合う愛知県の検討会(座長・木村光伸名古屋学院大教授)が13日、名古屋市中区のアイリス愛知で開かれた。会では、自然保護団体や地元住民らで非営利組織(NPO)「里山学びと交流の森づくりの会」を発足させ、万博開幕とともに始まる里山体験学習事業の運営を委託するとの最終報告をまとめた。
報告書では、万博開幕後、海上の森を「野鳥・古窯の森」「ふれあいの里」など、6つのゾーンに分割し、野鳥観察や農業体験などの場として利用。瀬戸会場に設けられる県館の一部を拠点施設にあてるとしている。県は、最終報告をもとに、近くNPOの発足に向けた準備会をつくる。