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【万博】2003.04.29-05.12の動き

●連合愛知主催の第74回愛知県中央メーデーが4月27日、名古屋市の市総合体育館で開かれ、雇用が保障された「労働を中心とする福祉型社会」の実現と、愛知万博の成功を目指すメーデー宣言を採択した。式典で堀下猛会長は「すべての人に働く場を保障し、セーフティーネットが組み込まれた社会、経済活力を維持しつつ高度な福祉社会を作るのが我々の目指す道だ」とあいさつ。また、連合が出展参加する愛知万博の成功に向け「最大限の努力をする」と強調した。式典後の歌謡ショーでは連合が作った万博応援ソングが披露された。

●愛知県環境影響評価審査会(会長・河上省吾関西大教授)は、愛知万博関連の青少年公園西ターミナルなどの事業について、環境保全の見地から5項目の指摘事項からなる検討結果を知事に答申した。
答申では、環境への影響に関して新たな事実が判明した場合は必要に応じて適切な措置を講じる、西ターミナル周辺には水田や住宅が存在することから、光による農作物への影響の低減に努める、ことなどを求めている。博覧会協会は昨年6月に会場の環境影響評価調査報告書をまとめたが、計画が未定だった事業もあり、順次、追跡調査をして同会の審査を受けている

●2004年10月に名古屋市で開かれる「ITS(高度道路交通システム)世界会議」の日本組織委員会(会長=豊田章一郎・トヨタ自動車名誉会長)は4月28日、道路や自動車の専門家だけでなく、市民参加できるイベントとして5万人参加を目標とすることを決めた。
ITSは、カーナビゲーションやノンストップ自動料金収受システム(ETC)など、IT(情報技術)を活用して交通事故や渋滞などの交通問題を解決するシステム。世界会議は、このシステムの研究や規格の国際標準化のために、1994年のパリ以来、世界持ち回りで開かれている。 参加者目標は当初、専門家を中心とした「1万人以上」としていたが、システムの体験ツアーや見本市などを開き、市民の参加を積極的に図ることにした。 豊田会長は「カーナビの搭載車は1100万台、ETCも80万台と普及が進んでいる。名古屋の世界会議で、市民参加の新しい潮流をつくり、半年後の愛知万博の成功につなげたい」と話していた。

●愛知県国際博推進局は4月30日、愛知万博にパキスタンが参加表明したことを明らかにした。正式表明はこれで89か国、7国際機関になった。

●県は、愛知万博の会場となる瀬戸市海上地区で実施している「海上の森ふれあいの里づくり・森づくり事業」のボランティアを募集する。農作業を通して、里山について理解を深めてもらうのが狙いで、6月から11月にかけて、稲やサツマイモ、サトイモなどを栽培する。

●愛知万博の愛知県の施策について協議する「県国際博覧会推進本部会議」が4月30日、県庁で開かれ、9月25日に始まる前売り券の販売に向け、修学旅行客誘致や県内88市町村での宣伝強化に取り組むことで一致した。
神田知事は席上、公式参加国数が90年大阪花博や70年大阪万博を上回ったことを挙げ、「開幕まであと695日。9月からいよいよ前売り券販売が始まるので盛り上げに尽力してほしい」と話した。一方、開幕直前の2005年春の開業を目標に万博会場への主要交通手段として建設中の東部丘陵線(リニモ)と地下鉄との接続問題について和田康敬・県警本部長が触れ、「雑踏対策の上でシミュレーションが必要だ」として、開業の前倒しを求めた。また、マイカーでの来場客が増え、周辺の住民の生活道路が渋滞する恐れがあるため、年度内に交通規制の検討を始めることも明らかにした。そのほか、万博会場で消防防災、救急の各活動を行う「万博消防署」、会場のレストランなどでの食品衛生対策を行う「食品監視センター」を設置することなども決まった。

●瀬戸信用金庫が、瀬戸・尾張旭市内に本社を置く建築、土木、生コン製造業者19社を対象に行ったアンケート結果で、愛知万博関連の工事を請け負っている業者が11社に上っていることが分かった。同金庫は「半数を超す企業が受注していることは割合的にも高く、万博が地域の企業に潤いをもたらしている証し」と分析している。
今年1−3月期に万博関連の受注が「ある」と答えた11社の契約様式は、ゼネコンの下請けが4社、博覧会協会からの直接受注が2社、官公庁からの請負が5社。受注内容は道路工事が7社、造成・外溝工事が4社など。

●愛知万博で、公式参加国と県内市町村が個々にパートナーを決めて交流する「1市町村・1国フレンドシップ事業」の基本方針が、5月1日決まった。組み合わせは市町村の希望が優先されることになっており、募集手続きが連休明けにも始まる。

●神田愛知県知事は5月2日、愛知万博の開催に伴う名古屋市営地下鉄藤ヶ丘駅から東部丘陵線へ乗り継ぐ際の混雑緩和策として、同駅から万博会場へシャトルバスを運行する方針を明らかにした。東部丘陵線は、地下鉄より輸送量が大幅に少なく、万博会場へ向かう利用者が藤ヶ丘駅で滞留してしまう恐れが指摘されていた。同じく万博会場への交通手段となる愛知環状鉄道の活用も検討しているといい、神田知事は東部丘陵線の試乗会後、「行きは愛環鉄道で、帰りはリニモにするなど、切符の販売方法も工夫したい」と述べた。

●愛知万博に出展する中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)のパビリオン「中部千年共生村」の概要が、5月2日発表された。インドネシア産の黄金色の繭や和紙で外観を覆い、巨大なあんどん風に仕立てる。
黄金色の繭は、インドネシア・ジョグジャカルタ自治区で街路樹などを食い荒らす蛾の一種を利用する。繭約50万個でシートを作り柱を覆う。四方の壁(350平方メートル)は、中部特産の美濃和紙などを黄金色に染めて張り、唐傘の防水剤などとして用いられてきた「柿渋」を表面に塗ることで、耐水性や耐久性を高める。夜間は、内側からあんどんのように電灯で照らし出すことで、黄金色に輝くパビリオンが出現する。青少年公園地区会場内の愛知県館脇に建設され、展示面積は約600平方メートル。1000年先も通用する環境に優しい各県独自の資源や技、文化などを展示する予定で、来年3月までに展示内容を固める。

●愛知万博の主要交通手段となる「東部丘陵線(愛称・リニモ)」で使われる第1号車両の試乗会が5月2日、名古屋市南区の実験線であった。建設、運営会社「愛知高速交通」の社長を務める神田真秋愛知県知事や、木村操・名鉄社長ら関係者約70人が、国内初の常電導磁気浮上式リニアモーターカー(HSST)の乗り心地を体感した。

●愛知万博の主要交通手段となるリニアモーターカー「東部丘陵線」について、博覧会協会は5月6日までに、1編成(3両)を購入する方針を固めた。約8億円負担し、万博閉幕後には、同線を運営する第3セクター「愛知高速交通」に無償譲渡する。同交通や県は、これまで8編成での運行を計画していたが、9編成になることで、乗換駅となる地下鉄藤ヶ丘駅の混雑緩和につながると期待している。

●愛知万博の開幕まで2年を切り、県立大は11月から12月にかけて、「博覧会の歴史と現在」をテーマにした公開講座を実施する。県民なら誰でも受講できる。同大では万博のメーン会場の愛知青少年公園に最も近いことから、博覧会を取り上げた。
講座は11月29日、12月6日、13日の全3回。第1回は、2000年のドイツ・ハノーバー博、第2回は1877年(明治10年)の内国勧業博覧会や日本文学と万博のかかわり、最終回で万博と陶磁技術、万博の原点となった第1回ロンドン万博を取り上げる 同大ドイツ学科のドイツ人客員教員や、英米学科、日本文化学科の教授らのほか、県陶磁資料館主任学芸員らが講師を務める。同大では「博覧会の歴史をさかのぼることで、日本と万博の関係に新しい視点を提示したい」としている。

●三菱商事など三菱グループ32社は7日、愛知万博に出展するパビリオン「三菱未来館」の外観デザインや基本テーマなど概要を発表した。

●愛知万博を関西地方でアピールしようと、2005年日本国際博覧会協会は8日、大阪市中央区の大阪商工会議所で、太田房江知事ら政財界関係者を招いて展示説明会を開いた。

●瀬戸市と尾張旭市の2大学が10日、05年愛知万博に向け、自然や環境に関するシンポジウムやフォーラムを開く。
名古屋学院大学(瀬戸市上品野町)は午前10時半から、瀬戸市東横山町の「せとしんエンゼルホール」で、シンポジウム「やろまい! せと・まるっとエコシティ」を開催する。木村光伸・経済学部教授の基調講演「愛・地球博のホストシティーとして」や、市民団体代表らが参加するパネルディスカッション「地域の自然と暮らしを創る」などが予定されている。一方、名古屋産業大学(尾張旭市新居町)の文化センター3階ホールでは、午後1時半から、伊藤達雄学長が「愛・地球博と環境」と題して講演するほか、椋周二・05年日本国際博覧会協会会場整備本部長が「愛・地球博の計画、そして最近の動き」と題して特別講演する。

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