HOME > 資料集 > 万博問題特集 >

<<バックナンバーのインデックスへ

【万博】2003.04.22-04.28の動き

●愛知万博の公式参加国招請のため、愛知県の神田真秋知事は5月11日に、オーストリア、デンマーク、フィンランドの欧州3か国歴訪に出発する。7日間の日程で、各国の万博担当省庁を訪れ、公式参加を呼びかけるほか、在外日本大使館にも立ち寄り、協力を求める。名古屋商工会議所や中部経済連合会の代表者らが同行する計画もあったが、都合がつかず、断念した。

●JR東海は21日、愛知万博に出展するパビリオン「JR東海リニア館」の基本構想を発表した。山梨県の実験線で開発を進めているリニアモーターカーの実物車両を初展示するほか、立体映像でさまざまな走行試験を再現し、次世代交通を前面にした展示内容にする。 同社の計画によると、青少年公園地区の3000平方メートルの敷地に、鉄骨2階建て延べ2000平方メートルのパビリオンを建設する。

リニアは、有人走行で世界最高の時速552キロを記録した車両1両を、オープンスペースに展示し、外からも自由に見ることができるようにする。 約500席の「映像シアター」は、縦10メートル、横18メートルの大画面と音響設備を使い、走行試験を編集した約15分間の立体映像を上映する。総事業費は約30億円。同社では約300万人の来場を見込んでいる。

●博覧会協会は24日、万博に出展する民間企業や政府、県、名古屋市などがパビリオンなどを建設する際に注意すべきことを盛り込んだ「環境配慮に関するガイドライン」を発表した。廃棄物の発生抑制や騒音、振動防止策などが盛り込まれている。会場の造成など協会発注工事については昨秋、行動計画を発表している。

●愛知万博の開催機運を盛り上げようと、「グリーンジャケット生地頒布事業」を行っている一宮商工会議所の豊島半七会頭は24日、名古屋市中村区の博覧会協会を訪れ、坂本春生事務総長に売上金の一部50万円を寄贈した。同商工会議所は、一宮市特産の毛織物で、万博のシンボルカラーの「グリーンジャケット生地」を頒布する事業を2000年6月に始めた。これまでに頒布した生地は県内市町村の首長や議員、民間企業関係者の協力でジャケット約777着、約650万円分にのぼった。

●愛知万博の会場計画について、市民の立場で議論する「フォローアップ会議」の谷岡郁子委員(中京女子大学長)が24日、「知事選で、万博推進は合意されたと思っているが、会議は建設的な議論になっていない」と抗議して、委員を辞任した。

谷岡氏は、会場縮小計画をまとめた愛知万博検討会議の委員長だった。フォローアップ会議で、検討会議で結論を示したはずの自然保護の問題が改めて蒸し返されていることなどに反発した形だ。同会議は、当初、28人の委員で発足したが、辞任者が相次いでおり、谷岡氏で8人目。宇佐見大司議長(愛知学院大教授)は「辞任を止めるつもりはない。様々な立場の人が発言できる開放性は確保したい」と話した。

●24日、新たに中米のグアテマラが参加表明し、これで正式表明は95(88か国、7国際機関)になった。

●博覧会協会は24日、愛知万博最大のパビリオン「グローバル・ハウス」に隣接して世界最大規模の緑化壁を設置することを正式に発表した。緑化壁の名称は「バイオ・ラング」で、生物(バイオ)と肺(ラング)を組み合わせた造語。「生物の力による都市の肺機能」という意味を持たせる。

長さ約150メートル、高さ12メートル以上の巨大な壁を緑や花で覆い、植物の力で二酸化炭素の吸収や酸素の供給をする。夏場には周辺の気温を低くすることが期待でき、都市部に滞留するエネルギーで気温が上昇するヒートアイランド現象対策の実験場としても提案する考え。緑や花は、あらかじめ1・5メートル四方のパネルで育成し、季節ごとに入れ替える。水は雨水や池の水を浄化させ、太陽光の電力で噴霧する。壁は8メートルの通路を挟んで2枚並んで設けられ、間を人が通って花を楽しむこともできるようにする。費用は8−12億円を見込んでいる。

▲ このページの先頭にもどる