【万博】2003.02.18-02.24の動き
●愛知県の神田真秋知事は17日、愛知万博の会場周辺の交通網整備を目的に、ミニ市場公募債「あいち県民債」100億円を来月25日に発行することを明らかにした。県民債の発行は昨年9月に続いて2度目。調達資金は、万博会場への交通手段となるリニアモーターカーの東部丘陵線、名古屋瀬戸道路の整備などに充てられる。昨年9月には、地震・防災対策を目的に第1回の県民債70億円を発行、即日完売している。購入できるのは、愛知県内に在住、在勤の個人や営業拠点を置く法人、団体など。1万円単位で購入でき、上限は500万円。
●愛知万博の海上会場周辺で愛知県の準絶滅危惧種のムササビを目撃したとの情報が寄せられたことについて、博覧会協会は17日のモニタリング会議で「ムササビが活動域として利用している可能性は極めて低い」との調査結果を明らかにした。 協会は今年1月に現地調査し、木の皮をはがした跡は、歯型が小さいことや位置が低いことなどからリスと判断した。しかし、日本自然保護協会常務理事が「位置が低くてもムササビが付けた例はある」と指摘したため、協会は2、3か月間、追跡調査する方針。
●愛知万博協賛の「グリーンジャンボ宝くじ」が17日、全国で一斉に発売された。発売総額は540億円で、売り上げの1部12億円が会場建設費として博覧会協会に寄贈される。 宝くじは1枚300円、マスコット「モリゾー」と「キッコロ」が描かれている。発売を記念して「幸運の女神」の吉田玲子さんが愛知県公館に神田真秋知事を訪ね、発売をPRした。神田知事はその場で計20枚(6000円分)を購入、「全国のみなさんには、宝くじの夢と万博の夢を両方買って欲しい」と話した。
●全国の都市ガス事業者でつくる日本ガス協会(会長=安西邦夫・東京ガス会長、233社加盟)は17日、愛知万博に出展する同協会のパビリオンの外観デザインや基本テーマを発表した。 同協会がパビリオンを建設するのは、青少年公園会場の民間出展ゾーン。2000平方メートルの敷地に、高さ約25メートルの楕円形のパビリオンを建設する。外壁や柱には木材を使い、屋上にも樹木を植え、周辺の緑と一体化した施設を目指す。基本テーマは「ゆめエナジー 人へ、地球へ」。炎を使ったライブショーを通して、天然ガスの可能性を、分かりやすく説明する。また、都市ガス会社が取り組んでいる家庭用燃料電池など、最先端の技術を紹介する。 パビリオンで使われる電力の一部は、ガス発電によってまかなう。
●愛知県国際博推進局は18日、中米のドミニカが愛知万博に参加表明したことを明らかにした。公式参加はこれで65か国、6国際機関となった。
●愛知県と県内の88市町村でつくる愛知万博推進協議会は19日、「1市町村1国フレンドシップ事業」の作業部会を開いた。作業部会には県内23市町の国際交流協会役員らが集まった。具体的な交流や組み合わせは7月ごろまでに決めるが、提携した国の人を各市町村に招待して料理教室など文化や習慣を紹介したり、会期中は住民がパビリオンの運営ボランティアやスタッフのホームステイなどで参加国を支援することにした。
●日本自動車工業会(会長・宗国旨英ホンダ会長)は20日、愛知万博に出展するパビリオンのイメージ図と出展テーマ「人・クルマ・地球▼未来へ。」を発表した。パビリオンは、青少年公園会場の約2000平方メートルの敷地に、高さ50メートルの観覧車と、観覧車の半分を包み込む建築物。観覧車に乗りながら、建築物の中で展開される映像や音声による演出を楽しめる。パビリオン名は、「展示」「博覧」「観覧車」「クルマ」の単語を組み合わせ、「ワンダーホイール 展・覧・車」と決めた。建築物はリサイクルできる素材を使い、観覧車は博覧会終了後も遊園地などに移設・再利用する。
●ヨーロッパからの愛知万博参加国を増やそうと、博覧会協会は20日、パリの日本文化会館で「欧州招請セミナー」を開いた。出席した22か国、2国際機関の関係者に、渡辺泰造・愛知万博政府代表らが会場計画などを説明した。 21日、現地で記者会見した博覧会協会の坂本春生事務総長によると、参加国のうち11か国はすでに参加を表明済み。セミナーでは愛知万博のテーマ「自然の叡智」や、会場のイメージ図の紹介などがあった。各国代表は「分かりやすい考え方だ」などと評価したという。
●日本経団連の奥田碩会長は21日、名古屋市内のホテルで記者会見し、愛知万博の会場建設費として経済界から募っている230億円の寄付金の集まり具合について、「多少の遅れはある」としながらも、引き続き各企業、団体への働きかけを行っていく考えを示した。寄付金集めの中心である経団連の財務委員長職が空席になっていることについても、「近いうちに決めていく」と述べた。
●愛知万博を2年後に控え、体の不自由な人にも、安心して宿泊してもらえるようにと「宿泊施設のバリアフリー化に関する勉強会」(社会福祉法人AJU自立の家、県など主催)がこのほど、東区のメルパルク名古屋で開かれた。県が昨年度実施した「観光・宿泊機能調査事業」の結果、県内のホテルなどで、バリアフリー対応の遅れが目立ったため、今回、障害者団体と協力して初めて開いた。
勉強会には、県内の宿泊事業者ら約30人が参加。はじめに、聴覚障害者団体の代表者が、「緊急放送が聞こえない」「ノックや呼び鈴に気づかない」などホテルで宿泊した際に直面した様々な体験を語った。また、電話ベルや火災報知器を感知し、光と振動に変換する機械や、客室とフロントをつなぐ筆談機など、聴覚障害者向けに開発され、メルパルク名古屋で使われているコミュニケーション支援機器についての説明を聞いた。勉強会では今後も、愛知万博本番に向け、バリアフリー化促進を図っていく。