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【万博】2002.12.17-12.23の動き

●名古屋市が愛知万博の支援会場と位置づける笹島地区でイベントなど関連事業が展開されることを51%が知っており、構想段階にもかかわらず認知度が比較的高いことが、市が16日にまとめたネットモニターアンケートで分かった。

●愛知万博のフランスパビリオン政府代表ベルナール・テステュ氏(47)が16日、万博会場となる瀬戸市の市役所を訪問し、増岡錦也市長と万博イベントの話などに花を咲かせた。

●全国県人会東海地区連絡協議会は16日、2005年に開催される愛知万博をPRするため、各県人会の会長、役員らが「愛・地球博ふるさと大使」を務め、各地で万博の盛り上げに一役買うことを決めた。
大使は、神田真秋・愛知県知事が委嘱する。同協議会には、北海道や沖縄、群馬、愛媛など35道県の県人会が加盟。大使専用の名刺や神田知事のメッセージ、万博グッズ、パンフレットなどを使って、それぞれの古里で万博をPRする。任期は万博終了まで。

●愛知県大口町は16日、愛知万博の開催年度と、その前年度に町内の中学校を卒業する全員に、万博の入場券(前売り券)をプレゼントすることを決めた。博覧会協会によると、地方自治体が公費で万博の入場券を購入して配るのは、同町が初めて。
万博では、環境問題と、その解決方法などが紹介されることから、子供たちに勉強してもらうとともに、「一生の記念にする」のが狙いだという。対象となる卒業生は約390人で、総額約80万円。また、万博が開催される年に在籍している同町の小、中学生全員にも、万博入場券のプレゼントを検討する。

●博覧会協会は17日、愛知万博の海上会場で予定している「市民プロジェクト」の参加者の募集をスタートした。このプロジェクトは、愛知万博が掲げる市民参加計画の一つで、「21世紀の地球市民にとってかけがえのないものは何か、どうしたら持続が可能か」などをテーマに、市民の知恵を集め、万博で発表してもらう。募集するのは約150人で、海上会場に設けられる「市民交流プラザ」と「交流広場」が発表の場となる。
また、同協会は、市民プロジェクトの助言者に各分野の専門家5人を選んだ 赤池学(科学技術ジャーナリスト)、加藤敏春(国際大学教授)、谷岡郁子(中京女子大学長)、松井正澄(建築家)、モンテ・カセム(立命館大教授)

●郵政事業庁は17日、来年4月発足の日本郵政公社が、愛知万博の寄付金付き特殊切手を発行することを明らかにした。同公社の来年度特殊切手発行計画に盛り込まれた。絵柄や種類、枚数などは未定で、発行日は愛知万博開幕のちょうど1年前にあたる2004年3月25日。寄付金は、万博会場建設費の一部として、博覧会協会に寄付される。

●愛知万博の成功に向け、愛知県議と名古屋市議の代表者らによる意見交換会が17日、名古屋市内で開かれた。席上、斉藤実・市議会議長は、市議会に万博を専門的に扱う特別委員会を設ける意向を示した。
県議会と名古屋市議会の代表者らによる万博をテーマにした会合は初めてで、会場には神田真秋知事、松原武久市長も出席した。
神田知事は「県、市が車の両輪となって進めていきたい」とあいさつ。松原市長も「地域全体で盛り上げていきたい」と答えた。

●県は17日、今年度の県政世論調査の結果をまとめた。今回の質問は地震対策や万博など4項目。愛知万博については、「自然の叡智」というテーマ、2005年3月25日の開幕日を知っている人は三割にも満たず、PR不足を改めて裏付けた。
調査は今年7月、20歳以上の男女3000人を対象に行った。回答は1643人からあり、回答率は54・8%だった。県では1977年度から世論調査を実施しており、今回は「心の豊かさと生活意識」「国際化の推進」「地震防災対策」「愛知万博」の4つについて調査した。
愛知万博について知っていることでは、会場地が81・7%あったが、愛称の愛・地球博、マスコットキャラクター、テーマ、開幕日を知っていたのは30%前後しかなかった。テーマは29・8%、開幕日は25・0%しか知らなかった。 さらに、会場内の施設に関しては、「里山遊歩ゾーン」の15・2%が最高で、地球市民村、グローバルハウス、地球大交流広場を知っていた人は2―4%台しかいなかった。また、万博を盛り上げるためには、4割近い38・6%が「PRの充実」と回答した。

●名古屋東郊地域の愛知淑徳大、県立大、県立芸大、名古屋外国語大などの学生らが実行委員会を作り、現在、約30人がメンバーとなって企画している。万博を契機にした県内大学のネットワークづくりが大きな目標で、今回のフェスティバルが、その第一歩となる。
2月15、16日の2日間、長久手町文化の家で開催。音楽、演劇、映画、美術、ダンスなどさまざまなジャンルの学生サークルや個人の参加を募り、合同学園祭的な場をつくり上げる。

●愛知万博の輸送対策について、県内の関係行政機関のトップが18日、名古屋市中区の県三の丸庁舎で初めての「意見交換会」を開き、緊密な連携を図っていくことを確認した。
今後、具体的な計画について民間事業者などと調整する際、行政機関の協力を得たいという博覧会協会の意向を受けて、国土交通省中部運輸局が開催を呼びかけた。平山芳昭・同局長のほか、長谷川信義副知事、和田康敬・県警本部長、大道正夫・中部経済産業局長、清治真人・中部地方整備局長、博覧会協会の坂本春生事務総長の6人が出席した。
平山局長は「行政機関のトップレベルで、共通の意識を持ってスタートしたい」とあいさつ。坂本事務総長は「現在の輸送計画は、供給側の論理に沿ったもので、観客の実態にどう合わせるかが課題」と説明した。出席者からは、情報提供、誘導、危機管理といったソフト面の対策の重要性が指摘され、事務レベルの協議会などを活用していくことで合意した。

●愛知万博の安全対策会議が19日、名古屋市内で開かれ、博覧会協会が愛知県と県警に会場警備基本計画案を示した。入場門の金属探知機で爆弾や銃の持ち込みを防ぎ、会場内の防犯カメラで観客の込み具合と不審人物を見張り、赤外線カメラで森林火災を警戒する。雑踏事故と天災、世界中で相次ぐテロの対策を重視している。
計画案は「国内外の要人の訪問も予定されているため、テロなど重大事件の防止に万全を期す」と明記。すべての入場客に金属探知機をくぐらせ、必要に応じて手荷物検査もする。会場の外周はフェンスと探知機で不審者の侵入を防ぐ。
愛知青少年公園会場を一周する木製回廊「グローバル・ループ」には、防犯カメラを設置。回廊上の混雑が激しい時は立ち止まり禁止の規制をし、不審人物を発見したら会場内の詰め所から警察官や警備員が急行する。海上地区会場の里山遊歩ゾーンなど森林では、喫煙を禁止するが、遠隔操作できる望遠カメラと赤外線カメラで万が一の火災の早期発見を図る。県と県警の検討を経て、年度内にこの計画案が承認される見通し。

●愛知万博開催のため、県が会場予定地の愛知青少年公園にある県有施設を取り壊すのは税金の無駄遣いだとして、「愛知万博中止の会」(影山健代表)のメンバーら33人が神田真秋知事を相手取り、取り壊し費用約6億6000万円の支出を差し止めるよう求めた住民訴訟の判決が20日、名古屋地裁であった。
加藤幸雄裁判長は、「万博の開催自体や形態をめぐって県民に賛否両論はあるが、建物の撤去・取り壊しを決めた判断は行政機関の裁量権の逸脱や乱用に当たらない」として住民側の請求を棄却した。

●県国際博推進局は20日、チュニジアとトルコが愛知万博に参加表明したことを明らかにした。正式な参加表明は、これで58か国、六国際機関となった。

●21日の来年度政府予算案の復活折衝で、愛知万博の政府館出展事業として、10億3700万円を上積みすることが決まった。既に財務省原案で23億6900万円が盛り込まれており、これで概算要求額42億4500万円のうち、34億600万円が認められた。
政府館出展事業は、建設費が12億2500万円の満額が盛り込まれたが、出展・催事事業委託費は、要求額の約7割に当たる21億8100万円にとどまっている。減額の理由について、財務省は「具体的な計画が決まっていない」としている。上積み予算には、政府館の概要を紹介するホームページ「サイバーパビリオン」開設が盛り込まれた。
政府館は、青少年公園地区に「日本政府館」と、海上地区に「里山日本館」を建設する。「日本を超えて」のキャッチフレーズで、自然や環境をテーマに展示する。

●アクセス関係で、愛知環状鉄道の事業費が鉄道活性化事業の全国枠の中で認められた。岡崎−高蔵寺間を一部複線化することで所要時間の短縮や列車の増発を図る。JR中央線との直通運転のため、高蔵寺駅で連絡線を新設する。
博覧会準備費は概算要求した201億2000万円のうち、179億8000万円が確保された。

●「環境」をテーマにした愛知万博で実施される次世代エネルギーの実証実験を、閉幕後も空港対岸部の前島地区で継続することで経済産業省や愛知県、実験を行う企業側がほぼ合意した。2大プロジェクトをつなぐ事業計画が明らかになったのは初めて。
実験は生ごみをメタン発酵させる水素発電装置や、燃料電池車への水素供給ステーションなど。大半が「実用化まであと一歩」(関係者)の技術だが、二酸化炭素などの燃焼ガスを出さず、地球温暖化や大気汚染を防ぐことにつながり「未来の発電の主流になる」(同)と期待されている。技術開発のほか、外国政府館などへ電力を供給し、需給コントロールシステムの実証的な研究を行う。
複数の企業が研究共同体を組み、事業主体の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受ける形で実験に取り組む。期間は博覧会の開幕から4年間で閉幕後、前島地区に施設を移転。実験を続けるとともに進出した企業や店舗などに電力を供給する予定。本年度中に共同体が組織される見通しで、今後、企業側は設計から建設まで移設を想定して計画を進める。実験期間の終了後はNEDOから施設の譲渡を受け、県事業として継続することも検討する。県では同地区を環境負荷の少ない「プロトンアイランズ」として整備する意向で「地区の中核施設になる」と期待している。
課題は移設費用で、愛知県は「かなりの額に上る」とみて、経産省などと協議している。用地の無償提供についても、県企業庁から県産業労働部が借地したうえで、NEDOに貸す形をとる必要があり、県庁内での調整が必要。東京都が風力発電施設をお台場沖に誘致する際、港湾局と環境局の間で行った「都庁内での借り上げ」の例を参考に検討している。

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