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【万博】2002.12.03-12.09の動き

●愛知万博で愛知青少年公園地区と海上地区を結ぶゴンドラ計画について、博覧会協会は1日、瀬戸市内で住民説明会を開き、コース途中の住宅のプライバシーに配慮するとともに、来年10月に着工することを明らかにした。
 住民説明会には、ゴンドラのコース途中にある上之山3丁目の住民ら約30人が出席。「日常生活をゴンドラの乗客にのぞかれ、プライバシーが侵害される」という住民に対し、同協会は「ゴンドラが住宅地近くに差し掛かると瞬間的に曇りガラスになる特殊なガラスを窓に採用する」などと説明した。住民からは、ゴンドラ計画自体について「そもそもどうしてゴンドラが必要なのか」「シャトルバスで事足りるのではないか」など、建設に反対の意見が多く出された。同協会では、支柱の建設場所の実地調査を行い、着工までに、さらに住民説明会を開いて地元の理解を求めていくことにしている。一方、協会と愛知県は同日、2日から始まる海上地区の造成工事についての地元説明会も同市内で開き、工事用車両の騒音対策などについて理解を求めた。

●来月16日告示される県知事選で再選を目指す現職の神田真秋氏(51)は2日、名古屋市内で支持政党代表者らを招いた会合を開き、選挙戦で掲げる公約を表明した。中部国際空港建設と愛知万博の成功、産業振興、災害対策など県政の継続性を訴える内容だ。

●博覧会国際事務局(BIE)の総会が3日、モナコで開かれ、2010年国際博覧会の開催地を中国・上海市で開くことを決めた。テーマは「都市、よりよい生活」。
2010年の国際博は、05年の愛知万博に次ぐ大規模博覧会で、上海のほか、モスクワ、麗水(韓国)、ケレタロ(メキシコ)、ブロツワフ(ポーランド)が立候補、五都市で争っていた。中国は2008年の北京オリンピックに続き、上海の万博開催で経済発展や国際外交の面で弾みをつける狙いをもっていた。総会では3日午後(日本時間同日夜)からBIE加盟89カ国の代表が参加して投票した。

●愛知万博の2会場を結ぶゴンドラ計画に反対する瀬戸市上之山町3の住民が4日、同市役所を訪れ、「1日の住民説明会で市の国際博推進課職員が途中退席したのは説明責任の放棄だ」として増岡錦也市長に謝罪を求める要望書を提出した。
1日の説明会では、博覧会協会と県、瀬戸市が予定通りゴンドラ計画を進める意向を示したのに対し、住民側が計画撤回を要求。終了予定時刻が過ぎても住民が回答を求め続けたため、協会が説明会終了の意向を表明した。市職員はその後退席したが、住民側は「説明会は町内会の開催で行った。こちらが終わりと言っていないのに退席するのはおかしい」と反発していた。

●12月定例県議会は4日、代表質問があり、神田真秋知事は、9月に発行した「あいち県民債」を年度内に再び発行することを明らかにした。
県が9月に初めて発行したミニ市場公募債について、神田知事は「大好評だったので、年度内に2回目の発行をする」と明言した。1回目は使途が地震防災対策に限定されたのと0・32%の高利率が人気で、70億円分すべてを発売当日に完売。2回目の使途は同じ防災や環境、愛知万博など県民の関心の高い事業になる見通し。

●12月定例県議会は5日、一般質問があり、神田知事は防災対策について愛・地球博で実験される情報技術(IT)を活用する考えを示した。
愛・地球博で実験、実証される情報技術の防災対策への活用について、神田知事は「万博を通じて生み出されるノウハウを生かしていくことが何より重要で、大いに期待している」と述べた。画像送信機能付き携帯電話による災害情報の把握、衛星利用測位システム(GPS)を使った避難誘導や緊急車両の運行管理などの活用が見込まれている。また万博では、ごみをガス化して発電する燃料電池や、会場の伐採木から出たチップを使った「自己完結型トイレ」が紹介される。県は、災害時の避難所へのこれらの整備について「万博の効果を見極め、今後研究していきたい」とした。

●瀬戸市は、第4次市総合計画(基本計画期間平成6−17年度)の実現に向け、平成15−17年度の取り組みをまとめた第9次実施計画を5日に発表した。17年に開く愛知万博関連の大型事業が集中することから、費用増額できる事業を、万博関連事業と、法改正や制度改正で義務的に必要となる事業に限定した内容となっている。

●愛知万博での市民参加のあり方を議論する場として、博覧会協会は今月6日から来年1月下旬まで「市民参加の検証と拡充のためのフォーラム」を開く。愛知万博では、愛知青少年公園地区に設けられる「地球市民村」や海上地区の「市民交流プラザ」、両会場でのボランティア事業で、市民参加型のプログラムを予定している。

●道路関係4公団民営化推進委員会が高速道路を厳しく抑制する最終報告を決定したのにたいし、豊田市の鈴木市長は「第2東名と東海環状自動車道の建設が中断するようなことになれば、長野や岐阜から万博に訪れる人に影響が出る」と危機感を抱き、博覧会協会の坂本事務総長は「委員会の最終報告を政府がどう受け止めるかが重要。万博開催に支障のないように配慮するよう信じている」とコメントした。

●愛知万博会場へのアクセスとなる、リニアモーターカー「東部丘陵線」の工事現場で先月起きた陥没事件で、県は調査結果の中間報告をまとめた。
現場の地下50メートル付近にあった亜炭坑跡は原因とは考えられず、地下15メートルまでの間にあったと考えられる空洞が原因と推定している。しかし、事故の原因とみられる空洞がなぜ発生したかはわからず、県は引き続き土質の調査を続ける。

●名古屋競輪場で5日から、愛知万博初の協賛競輪レースが始まる。レースには今年9月のオールスター競輪でファン投票一位を獲得した神山雄一郎選手(34)も出場し、盛り上げに一役買う。車券は岐阜、四日市、富山など場外15か所でも発売し、売り上げは、15億円を見込んでいる。このうち、4000万円が博覧会協会に寄付される予定だ。全国では、来年以降、万博開催まで年10回程度の協賛競輪が行われ、収益の一部が万博会場建設費にあてられる。
協賛競輪レースの優勝決定戦が7日、名古屋市中村区の名古屋競輪場であった。博覧会協会の豊田章一郎会長や坂本春生事務総長、神田真秋知事をはじめ、同競輪組合管理者の松原武久名古屋市長も観戦した。

●今月10日発足する愛知万博のボランティア運営組織「愛・地球博ボランティアセンター」会長に、ハンス・ユーゲン・マルクス南山大学長(58)(神学博士)が就任することが内定した。万博会期中には1日平均500人、延べ約10万人のボランティアが必要とされている。

●愛知県内の大手百貨店5店は、10日から一斉に、愛知万博の公式オリジナルグッズの販売を始める。

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