【万博】2002.11.12-11.18の動き
●愛知万博の主要アクセスとなるリニアモーターカー「東部丘陵線」の第1号車両が完成し、12日、名古屋市南区の実験線で関係者に披露された。
常電導磁気浮上式リニアモーターカー(HSST)では、国内初の実用化となる。公募した路線の愛称は「リニモ(Linimo)」に決まった。車両は3両編成で、全長43・3メートル。最高時速100キロで、正面は全面ガラス張りになっている。白を基調に、側面に青色のラインと愛称のロゴが入っている。総事業費は1075億円、うち車両費は1編成3両で7億円。定員244人で8編成導入予定。
同線を建設、運営する「愛知高速交通」社長の神田真秋愛知県知事は「斬新で未来に向けたデザインだ。地域の人や万博の来場者に愛してもらえるだろう」と期待を寄せていた。 万博が開幕する2005年3月までの開業を目指して、用地買収と建設工事が急ピッチで進められ、第1号車両は、来年5月まで実験線で試験走行する。
●博覧会協会協賛の公営ギャンブル「第2回愛・地球博協賛競走」が19−24日の6日間、蒲郡市の蒲郡競艇場で開催される。最終日の優勝決定戦には、マスコットキャラクターの「モリゾー」と「キッコロ」が愛知万博をPRするほか、ファンサービスとしてオフィシャルグッズをプレゼントする。
●県国際博推進局は14日、カザフスタンとウクライナが愛知万博に参加表明したことを明らかにした。正式な表明はこれで55か国、五国際機関となった。
●博覧会協会は16、23の両日、愛知万博メーン会場となる愛知青少年公園で、会場建設工事に伴い伐採される樹木を市民に無料で配布する。配布されるのは、サザンカやツツジ、サツキなどの中低木約1000株。
●博覧会協会は14日、トヨタ自動車の長谷川俊氏(59)を審議役とする人事を発表した。着任日は来月2日。長谷川氏は、ニューヨークやインドネシア駐在など海外勤務が豊富で、10月までは天津トヨタ自動車の社長を務めた。こうした国際経験を生かし、愛知万博への参加国招請を担当する。
●博覧会協会は12月8日、小学校5、6年生を対象にした国際シンポジウム「愛・地球博とメルヘン」を名古屋市中区栄のナディアパーク・デザインセンターで開く。万博の公式マスコットキャラクター「モリゾー」「キッコロ」を主人公にした絵本作りなどを通じて愛知万博をPRする。
シンポジウムには、オーレ・フィリプソン博覧会国際事務局(BIE)名誉議長や、コラムニストのジョン・ギャスライトさんのほか、世界の童話作家らが参加する。
●愛知万博の入場券は、世界最小の特殊なICチップが埋め込まれ、パビリオンの入場予約や会場内の混雑状況の把握などに活用できる〈インテリジェント入場券〉になることが15日、わかった。博覧会やテーマパークなどで、このICチップの付いた入場券を使うのは、愛知万博が初めてとなる。
●瀬戸市は、万博を好機として陶磁器振興へ。窯元らは産業観光イベントで観光客を呼び込み、行政や産業団体は世界の陶磁器産地と連携を強化して、万博開催時には街全体を会場に瀬戸の陶磁器を内外にアピールする。
●愛知万博で、中部九県が青少年公園会場に共同出展する中部広域交流館「中部千年共生村」(仮称・展示面積約600平方メートル)の基本構想の素案がまとまり、14日に金沢市で開かれた中部圏知事会議で示された。
テーマは「千年の冒険 中部の発見と創造−千年持続社会を考える」。万博を契機に、モノづくりの中部が、千年後にも通用する技術や産業、生活スタイルなど"31世紀特産品"をつくり出そうという試み。メーンゾーンは、人と技術の出会いがテーマの体験型パビリオン。ロボットに触れると、1000年後までの社会をコンセプトにした立体映像を映し出す。このほか、発酵によりできる八丁みそや、伝統芸能を駆使したからくり人形づくりなど、持続可能な社会実現に関連したワークショップを設ける。今後、この素案をたたき台に各県で意見を出し合い、構想をまとめる。
●長久手町の万博宿舎計画に反対する地元自治会対策協議会は、計画への具体的協議を求める県・町に対し、協議の前提として、県責任者の明確化、苦情など町行政に意見の言える場の設置などを求める覚書案を町に提出した。