HOME > 資料集 > 万博問題特集 >

<<バックナンバーのインデックスへ

【万博】2002.10.29-11.04の動き

●愛知万博へ出展する国に対して、市場調査や物産展などのビジネス支援を行う「愛知・名古屋国際ビジネス・アクセス・センター」(略称I―BAC=アイ・バック、事務局・名古屋商工会議所ビル内)が28日、業務を始めた。開所式で、I―BAC会長の磯村巌・名商会頭が「官民一体となり、効率的に支援したい」とあいさつ。坂本春生・万博協会事務総長は「万博出展を目指している途上国には、ビジネスチャンスへの期待もある」と、支援活動を評価した。この後、磯村、坂本両氏らが早速、事務局の入り口に看板を取り付けた。

●世界49か国が加盟する国際的な産業遺産の保存団体、国際産業遺産保存委員会(TICCIH)の国際会議を、2005年の愛知万博開催期間中に、名古屋市内に誘致する構想が28日、明らかになった。誘致しているのは、愛知県や観光業界などで組織する産業観光推進委員会(会長・奥野信宏名古屋大学総長特別補佐)。鉄橋の源流であるイギリスのアイアンブリッジなど、世界各国の産業遺産を保存・公開しているTICCIHの事務局長が今月12日に来日し、中部産業遺産研究会の田中浩太郎・日本電話施設相談役や産業考古学会理事の種田明・静岡文化芸術大教授と開催の方向で合意した。正式には2003年にロシアで開催されるTICCIHの総会で決まる。国際会議とともに、「産業観光国際フォーラム」も開催する方向で調整を進めており、産業観光推進委員会副会長の須田寛・JR東海会長は、「中部圏の産業観光を世界に紹介する好機としたい」と話している。

●博覧会協会は28日、愛知万博の海上地区会場の造成工事業者について、指名競争見積もりで、中部建設(愛知県瀬戸市)、加藤工務店(同市)、那須組(同県豊田市)の地元3社による共同企業体に決定した。一方、愛知県国際博推進局は同日、ルワンダが愛知万博に参加表明したことを明らかにした。正式表明はこれで51か国、5国際機関となった。

●自動車公害の抑制を目指す「あいち新世紀自動車環境戦略会議」が28日、名古屋市千種区の愛知厚生年金会館で開かれ、戦略案を承認、策定した。9月に県が公表した原案通りだが、愛知を環境先進県にし、2005年の愛知万博や04年に同市で開かれる「ITS(高度道路交通システム)世界会議」で世界中にアピールすることを新たに盛り込んだ。
戦略によると、ハイブリッドカーや天然ガス車など環境に及ぼす影響が小さい「エコカー」を県内で愛知万博までに100万台、10年度に300万台普及させる。ディーゼル車が排出する粒子状物質の削減と交通渋滞の解消などにも努める。県の呼び掛けで2月に発足した会議で、官公庁と県トラック協会、日本自動車工業会、民間非営利団体など40団体で構成。議長の神田真秋知事は「愛知を世界のモデルになる環境先進県にしたい。戦略はその柱」と抱負を述べた。各団体がそれぞれの分野で自動車公害の抑制を進め、「今後も年に最低1回は会合をもち、互いの仕事の進ちょく状況を報告したい」(神田知事)としている。県は近くこの戦略を県民向けの冊子にし、希望者に配る方針。

●愛知万博を盛り上げようと、県議会とメーン会場のある長久手と東郷両町が29日、長久手町役場で意見交換した。同議会が、8月から県内88自治体の首長に呼び掛け、実施している一環で、両首長からはそろって、「全国レベルでの万博PRが、まだ不足している」と周知活動に取り組むよう要望した。交換会には、県側から寺西学・県議会議長や国際博推進局幹部ら、地元からは加藤梅雄・長久手町長と石川伸作・東郷町長らが出席した。PR不足との指摘に寺西議長は、「大阪万博でも前売り券発売からが一斉スタートだった。愛知万博盛り上げの下地を、来年に迫った前売り券発売前の今から作ろうと、意見交換会を県内全域で開いている」と説明した。

●旅行業最大手のジェイティービー(東京都品川区、JTB)は29日、愛知万博に参加する国へのコンサルタント業務や中部地区へのツアー客の誘致など、万博関連事業に関して名鉄観光サービス(名古屋市中村区)と業務提携する方針を明らかにした。中部圏に強い名鉄グループの鉄道、バス、ホテル事業との連携を強化することで、ビジネス需要に対応していく。
JTBは来月5日に、「2005年日本国際博覧会推進本部」の事務局を、名古屋市中村区に開設。海外からの万博見学客が見込める2005年に向けて、名鉄観光サービスと共同の旅行企画を提案、名鉄グループの交通網やホテルを活用して、中部地区へのツアー客の誘致を進める意向だ。JTBによると、同社の海外支店などにはすでに、「万博に参加したいが、問い合わせ先はどこか」「交通やホテルは確保できるのか」など、中南米などの小国から相談が寄せられているという。このため、推進本部では、万博会場の準備状況など最新情報の提供や、出展内容に対してのコンサルティング、通訳者や宿泊先の確保などの業務を行っていく。一方の名鉄観光サービスも、海外から来る見学客の誘致など、万博ビジネス需要を掘り起こすうえで、JTBとの業務提携に期待している。

●名古屋市とメキシコ市との姉妹都市提携25周年を記念し、名古屋城本丸御殿の復元などに取り組んでいる市民団体「本丸御殿フォーラム」(会長・岡谷篤一岡谷鋼機社長)の有志らが11月、メキシコ市を訪れ、国立自治大学で「春姫道中」を披露する。
「春姫道中inメキシコ」と銘打って現地時間の11月7日夕、時代衣装で市民とともにキャンパスを練り歩き、夜は記念レセプションにも出席。大学側には松原武久市長らの親書を手渡し、愛知万博へのメキシコの出展参加などを要請する。

●「海上の森を守る会」(加藤徳太郎代表)など環境問題に携わる市民グループ12団体と3個人が30日、愛知万博の海上会場内で、ムササビの生息が確認されたとして、同会場での工事計画の見直しや中止を求める要望書を県と博覧会協会へ提出した。
加藤代表によると、今年6月、海上地区で自然観察を続けているアマチュア研究家が会場予定地でムササビが滑空しているところを目撃した。さらに今月12日と17日には同代表らが巣穴と、巣穴の中にいるムササビを確認した。愛知万博のアセス評価書では同会場内は「ムササビの主要生息域とは考えられない」とされていた。巣穴があった場所では工事による改変は予定されていないが、「11月から1月はムササビの繁殖期で、生息域での工事は影響が大きい」(加藤代表)と話している。ムササビは県のレッドデータブックで「準絶滅危ぐ種」に指定されている。

●愛知万博のサテライト会場となる名古屋駅南の笹島地区に、娯楽施設などの誘致を目指している名古屋市は、1日に締め切った民間事業者募集に、ゲーム機器メーカーや建設会社などでつくるグループなど5団体の応募があったと発表した。

●愛知県国際博推進局は1日、ブルガリアが愛知万博に参加表明したことを明らかにした。正式表明はこれで52か国となった。

●愛知万博の海上会場に、閉幕後も残す恒久施設として建設することになっていた政府館「里山日本館(仮称)」について、国土交通省は1日までに、閉幕後の管理者が決まらないため、仮設建築物として設計する方針を決めた。
里山日本館は、愛知青少年公園会場の政府館とともに、国が建設するパビリオンの1つ。瀬戸市は「閉幕後も残し、万博の理念を後世に伝えられるような恒久的な施設に」と要望していた。 このため、経済産業省は閉幕後に里山日本館を買い取るよう瀬戸市や愛知県に求めていたが、同市などは、購入費や維持管理が高額になることから難色を示しており、話し合いは平行線をたどっている。国土交通省は、来年3月までに設計を終え、同8月に建設に着手する方針。設計の期限が迫ってきたため仮設建築物としての設計を決めた。

●愛知万博をめぐり、主会場となる愛知青少年公園で10月17日に行われた起工式の招待状が当初、地元選出の国会議員のうち博覧会の開催に反対している社民、共産両党の議員5人に発送されていなかったことが分かった。
1日の衆院経済産業委員会で、平沼赳夫経済産業相らが大島令子議員(社民党)の質問に答えたもので、同相は「事務的な不手際があり、大変失礼なことをした」と陳謝した。起工式には、小泉純一郎首相と平沼経産相、地元選出の国会議員ら約600人が出席。大島議員が招待状がないと博覧会事務局に問い合わせた結果、起工式直前の16日にようやく招待状が届けられたという。同事務局は、過去に行われた式典などへの出席状況などを勘案して招待状を発送したため、社民党議員らには発送しなかった。大島議員は「気が付かなければ(式典で何が行われているかも)分からないままになるところだった」と激怒。同相は「反対派も含め(関係者を)招待するのが筋。国民の代表である大島先生への配慮を欠いた」と重ねて陳謝した。

●自民党の愛知万博推進議員連盟と、中部国際空港建設推進議員協議会の会長を務める橋本龍太郎元首相が11月6日に万博会場の青少年公園地区と中部空港を視察する。

▲ このページの先頭にもどる