【万博】2002.10.15-10.21の動き
●愛知万博の県パビリオン総合プロデューサーを務めている山根一眞氏が、県パビリオンの展示や催事の具体化作業のため、名古屋市を除く県内の全市町村を直接訪問して地元の声を聞く意見交換会が、14日の一宮市を手始めにスタートした。
●愛知万博の計画変更や中止を求めている市民グループ14団体は15日、神田真秋知事に対し、海上の森(瀬戸市)を会場から外すよう求める要請書を提出した。
「愛知万博の環境アセスメントに意見する市民の会」「愛知万博中止の会」など14団体で、「環境アセスメントが不十分」「県民の合意が得られていない」などとしている。
●名古屋市は15日、愛知万博を盛り上げるイベントで活用するPRポスターやロゴ・マークを発表した。ポスターは、劇画「コブラ」で知られる漫画家で、デザイナーの寺沢武一さんがプロデュースした。
●愛知万博のメーン会場・愛知青少年公園に15日、博覧会協会の現地建設事務所が開設された。
事務所は、地元自治体との協議などにも使われる博覧会協会の「前線本部」。開所式には関係者約70人が出席し、坂本春生事務総長らが「取り壊し工事中の公園管理棟の廃材で急ごしらえした」という"リサイクル看板"を除幕、開所を祝った。管理棟の取り壊し工事は7割ほど進み、同日昼過ぎには、公園のシンボル・時計塔(高さ26メートル)が、大きなハサミを備えた特殊な重機で解体された。
●経済産業省から県に16日入った連絡によると、ギリシャが愛知万博への参加を表明した。
●愛知万博での大型飛行船の遊覧飛行計画で、ドイツから日本までの運航ルートが固まった。前回開催地のハノーバーや、次回候補地の中国・上海などの上空もルートに盛り込む方向。飛行船は開幕約1年前の04年5月にドイツを出発。約4カ月かけて、ポーランド、ベラルーシ、ロシアを通過して、国内係留地となる愛知県蒲郡市に到着する。
飛行を計画している日本飛行船(名古屋市)は運航ルートに、1889年のパリ万博で造られたエッフェル塔の上空を加えることでも交渉している。
●愛知万博に単独館を出展するJR東海は、有人走行で時速552二キロの世界最高速度を記録したリニアモーターカーの先頭車両を展示の目玉とする方針を決めた。
●2004年に静岡県浜松市で開かれる国際園芸博「パシフィックフローラ2004」(浜名湖花博)のPRキャラバンが16日、名古屋市中村区の日本国際博覧会協会名古屋事務所を訪れ、中村利雄副事務総長と懇談。浜名湖花博と愛・地球博のPR活動で、互いに協力しあうことで一致した。
●スイス政府は16日、愛・地球博に出展するスイス館の展示内容を発表した。同博のメーンテーマ「自然の叡智」にちなみ、スイスの山を再現した大胆な構成。来年1月までに細部を詰め、来夏にも正式決定される。
スイス・ビール市で同日、「博覧会とメディア」をテーマにしたシンポジウムがあり、愛知万博の広報プロデューサーのマリ・クリスティーヌさんが広報プランを発表して協力を訴えた。
●愛知万博の起工式を前にしたイベント「愛・地球博の集い」が16日夜、東京都内のホテルで開かれ、小泉首相をはじめ、参加表明している49の国や5国際機関の代表者ら約400人が参加、開催機運を盛り上げた。
博覧会協会の名誉総裁に就任した皇太子も、雅子さんと出席した。豊田章一郎・協会会長が「広範な方々の支持なくして成功はない。みなさまの格別なご協力を」とあいさつ、小泉首相も「各国首脳と会談するたびに、是非参加してくれるようお願いしてきた。集いは成功への第一歩であることを祈っている」と述べた。参加を表明しているフランスのモリス・グルドーモンターニュ駐日大使は「愛知万博は、世界の平和と発展に貢献することと思う」と期待を述べた。この後、ウィーンフィルハーモニー選抜メンバーによる演奏会や懇親会があった。
●愛知万博の起工式が17日に行われるのを前に、革新県政の会(堀場英也代表)は小泉純一郎首相と神田真秋知事、豊田章一郎博覧会協会長に計画中止と開催返上を求める申し入れ書を16日に提出した。申し入れ書によると、愛・地球博はオオタカやハチクマなど貴重な動植物を脅かす環境破壊の計画で、21世紀の流れに逆行。国でも地方でも公共事業が見直される中、公共事業費を異常に突出させているとして計画の中止、開催返上を求めた。
●愛知万博会場建設の起工式が17日、メーン会場になる愛知県長久手町の愛知青少年公園で、小泉首相らも出席し約600人でおこなわれました。人気ロックグループ「X―JAPAN」元リーダーのYOSHIKIさん(37)が制作した愛知万博の公式イメージソングも初めて披露された。起工式というものの、同公園ではすでに実質的な工事が始まっており、関連事業の東部丘陵線(リニア鉄道)工事なども強行されています。
一方、同公園前では、開催中止を求める市民グループの人たち70人が、2カ所で、「愛知万博から勇気ある撤退を」などと書いた横断幕やプラカードを掲げ、抗議の意思表示をしました。東郷町から参加した主婦の門原艶子さん(33)は「もう万博は、はやらないというのが率直な感覚。もう必要ないのでは」と語っていました。
「愛知万博中止の会」の影山健さんは「愛知万博で環境、民主主義、財政もおかしくなります。メリットよりもデメリットの方が大きいことを明らかにし、中止、返上を訴えていきたい」と訴えました。
日本共産党の堀一県議も「どの角度から見ても赤字は大きい。県民にこの犠牲を転嫁するのは許せません」と、引き続くたたかいへの決意を語りました。日本共産党の原田秀俊、浅井脩町議も参加しました。
革新県政の会は、名古屋市中区栄で、開催の中止を訴える街頭宣伝をおこないました。
●愛知万博の愛知青少年公園、海上の両会場を結ぶゴンドラ建設に反対する瀬戸市上之山町3丁目町内会(岡田実会長)は18日、神田真秋知事に対し、建設開始に必要な保安林解除の措置を認めないよう求めた要望書を提出した。
要望書では、建設予定地の保安林周辺には地滑りの恐れがあり、建設作業により住民の安全が脅かされるとしている。
●名古屋商工会議所が企画・出展する中小企業向けパビリオン「ものづくりランド シンフォニア」に出展する中小企業に対し、同所は会場費の半分程度を補助検討している。2000社程度の参加期待だが、会場費だけで1社200万円の負担で考えている。
●愛知県国際博推進局は18日、カンボジアが愛知万博に参加表明したことを明らかにした。正式表明はこれで50か国となった。博覧会協会では、目標参加国数を100以上としており、これで半分に達した。
いな」を出演者全員で合唱し、万博の成功を誓っていた。
●愛知万博の会場内の安全を考える博覧会協会の第3回対策会議が18日、名古屋市中村区の同協会で開かれた。県警や地元自治体の消防本部の担当者ら約20人が出席。前回のフォローアップ会議で、海上地区会場内の通路が幅4・5メートルで大勢が殺到した場合に危険と指摘された件を議論した。
博覧会協会は、同協会が行ったシミュレーーションでは問題はなかったものの、再度より詳細な検討を重ねると説明した。ほか、グローバル・ループ(空中回廊)上の車いすの通行について、非常事態が起きた時のために車いす用の避難ゾーンを確保することも説明された。同協会は本年度中に、会場内の雑踏やテロなど各種対策のため、警備体制や組織、訓練機関を定めた基本計画を策定する。
●公共事業の進み具合に応じて年度途中に補助金などを増やす国の「国土総合開発事業調整費」(地域戦略プラン事業分)の本年度の配分が18日決まった。愛知万博と中部国際空港のアクセス整備で愛知県が進める県道3路線(力石名古屋、日進瀬戸、碧南半田常滑)の工事に、全体の57%の25億5000万円余が配分され、整備がいっそう進む見通し。
●坂本事務総長は記者会見で発展途上国への援助について、パビリオン建造物の無償提供以外の援助について、国際企画会議で検討すると表明した。米の参加母体となるNPOが近く設立、連邦政府に認定される見通しである。
政府は来年度予算で万博に参加する発展途上国の出展支援費として総額数十億円を盛込む方針を明らかにした。予算確保のため経済産業省や外務省、環境省の政府開発援助(ODA)など既存予算枠を活用する予定。
●愛知万博に向けて市民のムードを盛り上げようと、名古屋市中区栄の立体公園・オアシス21で19日、「開幕888日前カウントダウンイベント」が開かれた。同市の市章「(八)」にちなみ、2005年3月25日の万博開幕日の888日前にあたるこの日、「名古屋まつり」の一環として、市が企画した。
会場には市民約1000人が詰めかけ、特設ステージで、公募で選ばれたダンスやロックバンドなど14グループ、63人が、愛知万博のテーマ「自然の叡智(えいち)」をテーマに、踊りや音楽を披露した。