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【万博】2002.10.08-10.14の動き

●愛知環状鉄道(本社・岡崎市)は、愛知万博を控えて、輸送力増強整備の一環として、来年4月から新型車両を導入する。新型車両は、ステンレス製で軽量化を図り、最高速度がこれまでの時速80キロから110キロにスピードアップされる。また、車体の大型化で定員が増えるほか、大型窓や自動冷暖房制御の採用で、快適な車内空間になるという。車いすスペースや車いす用トイレ、車内案内装置も設置される。外観のデザインは、一般公募で最優秀賞に選ばれた作品を基に、沿線に広がる自然の緑と沿線住民のヒューマンパワーを、2種類の緑色のラインでイメージして描く。
 製作するのは4編成の計8両で、完成する12月末以降、試運転や乗務員の訓練が行われる。

●愛知万博開催について、自然破壊などを理由に反対している市民団体「海上の森を守る会」(加藤徳太郎代表、会員119人)は6日、愛知県瀬戸市で総会を開き、17日に同県長久手町の愛知青少年公園で行われる会場造成の起工式で、抗議行動をすることを決めた。

●愛知万博の開催に、自然破壊などを理由に反対している瀬戸地区の市民団体「海上の森を守る会」は6日、ゴンドラ建設中止を求める同市の「上之山3丁目町内会」(岡田実会長)と、工事の前提となる保安林指定解除をしないよう求める運動で、足並みをそろえることを確認した。両会は近く、保安林指定の解除権限を持つ林野庁長官に、要望書を提出する。
その中で、守る会は、海上の森会場への導入路として建設計画のある「瀬戸市道吉野・八草線」が通過する保安林を守るよう要望。町内会は、愛知青少年公園と海上の森の両会場を結ぶゴンドラが、住宅地内の保安林を通過するため、ゴンドラケーブルを支える鉄柱などの建設で自然環境が破壊され、万博開催中は日常的にプライバシーが侵害される恐れがあるとしている。

●名古屋市の松原武久市長は7日、05年の愛知万博を盛り上げるための様々な事業を「N−expo city(ネキスポ・シティー) シンフォニー」と総称すると発表した。統一名称で、市や市民の取り組みに弾みをつける狙いという。
2005年の愛知万博開催や中部国際空港の開港を控え、観光案内板などの案内表示について、国際化を進めようと、名古屋市は7日、歩行者用サインマニュアルの改定内容をまとめた。郵便局や交番の図記号(ピクトグラム)をJISに合わせて分かりやすくするほか、表示は、英文のほか、必要に応じてハングルや中国語、ポルトガル語も併記する。

●愛知万博などの環境影響評価をめぐり、愛知県瀬戸市の住民が同県知事らに調査費など約2700万円の返還を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は8日、住民側の控訴を棄却した。
田村洋三裁判長は「委託業者は目的に沿った特殊な調査を実施する能力や実績があり、随意契約も県の裁量の範囲内だ」と述べ、一審・名古屋地裁判決を支持した。

●愛知県は9日、ドイツとギニアビサウが愛知万博に参加を表明したと発表した。ドイツは今年6月のサッカーのワールドカップで、シュレーダー首相が小泉首相に口頭で参加を伝えていた。外交ルートを通じた愛知万博への正式な参加表明は、これで計48か国、5国際機関となった。

●愛知万博中止を求めている市民グループ「愛知万博中止の会」(影山健代表)は9日、博覧会協会が17日に愛知青少年公園(同県長久手町)で開く起工式の中止を求める要請書を、博覧会協会と愛知県に提出した。また、小泉首相と平沼経産相にも郵送した。要請書は、「万博開催は県民の十分な合意が得られていない。式を強行するなら、当日抗議行動する」としている。

●博覧会協会は10日、愛知青少年公園、海上の森両会場の造成工事で工事用の沈砂池を実際に設計したところ、周辺河川に流れ込む濁流について、環境影響評価(アセス)での予測より抑えられるとの見方を公表した。沈砂池は愛知青少年公園では27カ所、海上の森では12カ所造るように設計。これを基に、降雨時に発生して河川に流れ込む浮遊物質を予測したところ、アセス時点の予測値より少なく、環境への低減は図られるとした。

●愛知万博の主会場となる愛知青少年公園会場で17日に開く同万博の起工式をめぐって、万博反対派の瀬戸市議が、案内状に出席の返事をしたにもかかわらず招待状が来なかったとして、博覧会協会に11日、抗議文を提出した。
抗議をしたのは、同市の加藤徳太郎市議。10日に同市幹部から「起工式当日に、万博反対の抗議活動を行うと新聞記事に書かれていた。グループの代表にあなたの名前があったので、招待状は渡さない、と協会から言われたのでお伝えする」と告げられたという。
加藤市議は「協会には、市民から選出された市議を一方的に選別する権限など、ないはず。前もって本人に確認、説明もなく、非礼、非常識だ」としている。
これに対し、協会の西川洋二総務グループ長は、招待状の送付をしなかったことを認めた上で、「起工式は厳かなもの。小泉首相もあいさつされる式の運営に支障が出ると困るので、そのように判断した」と話している。

●博覧会協会は11日、会場造成に伴って発生する温室効果ガスの排出を抑えるための行動計画を発表した。造成では効率的なエネルギー利用による施工、環境負荷の少ない工事車両の使用、建設素材のリデュース、リユース、リサイクルの3Rなどを徹底。これを実施した場合の二酸化炭素、メタン、一酸化窒素の排出量を予測し、数値目標として設定した。博覧会協会は目標数値達成のため、工事用車両の走行やセメント使用まで細かく指導。工事請負者には使用する工事機械の形式や台数、セメントの使用量などの報告書を提出させる。同協会は報告書を基に行動計画の推進状況を把握、必要に応じて改善を指導する。 同協会は今後、開催時の会場管理においても、温室効果ガス抑制のための行動計画をつくる予定。

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