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【万博】2002.09.24-09.30の動き

●愛知万博の知名度を上げる目的で、経済界や自治体トップらで組織する「愛・地球博PR推進会議」(座長・磯村巌名古屋商工会議所会頭)の第3回会合が24日、名古屋市内で開かれた。会合には、マスコミ各社の代表約30人が出席。「地方博ではなく、国際博であるという意義をもっと全国に発信していくべき」などの意見が出された。

●愛知万博の鉄道アクセスとして、JR中央線と愛知環状鉄道が相互乗り入れするための高蔵寺駅(春日井市)改良事業について、JR東海の葛西敬之社長は24日、現地工事に8月から着手したことを明らかにした。
改良事業では、相互乗り入れのための連絡線路を新たに敷設。連絡線路の一部は陸橋化し、中央線の上を横切る構造にする。また、ホーム内にエレベーター3基、エスカレーター4基を設置して、バリアフリー化を図る。事業費は乗り入れで約30億円、バリアフリー化で約6億円。JR東海では、万博が開幕する2005年3月までに、直通運転の開業を目指す。開業後は、1時間に3本程度、名古屋駅から高蔵寺経由で直接、万博の最寄り駅である愛知環状鉄道八草駅へ乗り入れる。

●内閣府情報審査会は25日、愛知万博の開催を巡り、1999年11月に来日した博覧会国際事務局(BIE)議長らと、当時の通産相のやりとりなどを記録した文書を非公開とした、経済産業省の決定を取り消し、通産相のあいさつ文や来日目的などを記した文書を公開するよう、同省に答申した。
審査会は、あいさつ文について、「BIE議長とのやりとりを記録したものではなく、通産相のあいさつとして、あらかじめ万博に関する一般的な方針を書いたもの」、また、来日目的や会談の出席者を記載した文書も「公開してもBIEとの信頼関係が損なわれることはない」と判断した。 同省博覧会推進室は「責任者がいないのでコメントできない」としている。

●博覧会協会の坂本春生事務総長は25日、愛知青少年公園と海上の森両会場を結ぶゴンドラ輸送計画に対し、地元住民が「家をのぞかれプライバシーが侵害される」と反発している問題で、1カ月以内にプライバシー保護策をまとめる意向を示した。
定例記者会見で明らかにしたもので、坂本総長は「住民の気持ちを振り切って進められるものではない。もう少し時間をかけて決断したい」と述べた。

●博覧会協会は25日、目標入場者1500万人を確保するためメーンの青少年公園会場でナイター営業することを決めた。海上会場は、オオタカなどの動植物に配慮し、夕方までとした。開幕の2005年3月25日から1か月間は、青少年公園会場が午前9時半―午後9時半、海上会場は同―午後5時半。4月26日から閉幕までは両会場とも前後30分延長する。また、ロックグループ「X―JAPAN」元リーダーのYOSHIKIさんが製作する公式イメージソングを、10月17日に青少年公園会場で開く起工式で披露することも明らかにした。

●愛知万博開催後の愛知青少年公園の再整備計画で、県は25日、万博で「森林体感ゾーン」となる公園南部に、環境学習の拠点となる「フィールドセンター」を建設する方針を明らかにした。県では同センターの建設を万博の開幕前に前倒しし、万博期間中、博覧会協会が実施する環境関連のイベントなどの拠点施設とする考えだ。万博後もそのまま残し、「万博の理念と成果を生かした自然を親しむ場とする」(建設部)という。再整備計画では、万博後の青少年公園に「こどもの広場」「センター広場」など6つの広場を配置する。森林体感ゾーンは人と自然の新たな関係を体感できる「もりのゾーン」となる予定だ。

●名古屋商工会議所は25日、愛知万博への出展構想を明らかにした。それによると、中部地域の中小企業が持つ先端技術や伝統技能を、万博の場でアピールするため、博覧会協会が万博会場に建設するコンベンションホールを、開幕から1か月間借り切り、「ものづくりランド シンフォニア」(仮称)という展示の場を中小企業に提供する考え。
展示のテーマは「『見えない』『触れられない』技術との出会いと体験」。通常では目に見えない独自技術を、「花」や「おもちゃ」など見える形にして展示し、モノづくり技術を体験してもらう狙い。例えば、形状記憶合金で作った花のつぼみに温風を送ると次々と花が咲くようにしたり、光ファイバーやレーザーを用いた幻想的な「光るお花畑」を展示する。出展内容のアドバイザーは、国内のテーマパーク構想の助言などをしているユニバーサルデザイン総合研究所(東京都港区)の赤池学所長が担当し、中部デザイン団体協議会(名古屋市中区)が協力する。コンベンションホールの利用料金などの詳細は、博覧会協会が来年3月までに決めたあと、名商が具体的な出展企業の費用(出展料や光熱費など)を算出し、同年4月以降に会員企業や、日本商工会議所などを通じて正式に申し込みを受け付ける。名商では、独自技術を持つ中小企業100−200社の応募を見込んでいる。 名商の磯村巌会頭は「万博は見るだけでなく、参加するもの。名商が費用を負担して展示場所を提供することで、中小企業の技術を見てもらえる意義がある」と話している。

●愛知県観光協会と博覧会協会は、全国の小中学校約1万校と校長会あてに、愛知万博への修学旅行誘致を依頼した文書を郵送した。

●愛知万博の機運を盛り上げようと26日、知多市文化協会のメンバーら約300人が、9月定例会開会中の県議会を訪れ、神田真秋知事や寺西学議長の前で「万博おんど」を披露した。
「万博おんど」は1995年、愛知県に万博を誘致する活動の中でできた応援歌。正式に開催が決まって以降、知多市や万博会場予定地の豊田市や長久手町、瀬戸市などで使われ、盆踊りの"定番曲"の1つとして定着してきたという。披露した主婦らは、浴衣姿で登場し、おそろいの万博のうちわを持って、議会棟5階の大会議室いっぱいに踊りの輪を描いていた。神田真秋知事は「市民の間から万博の盛り上げをしてもらうのは非常にうれしい」と喜んでいた。

●名古屋市の松原武久市長は27日の市議会本会議で、来年度予算案の重点施策の基本方針を示した。「地震防災対策」「愛知万博」「教育改革」などをあげ、「財政状況は厳しいが、いわば将来のための先行投資として取り組んでいきたい」と強調した。愛知万博については「(開催を)環境に配慮した新しいライフスタイルを創造し、定着させる機会ととらえ、環境先進都市づくりを進める」との考えを示した。

●愛知県は28日、愛知万博に出展する外国政府関係者らの宿舎90戸を同県長久手町に建設する計画を、地元住民に明らかにした。同日夜の説明会に出席した約70人の住民からは「違法駐車や放置車両で環境が悪化する」などとして、反対意見が相次いだ。計画では、同町南部のオヨナガ池埋め立て地に、宿舎と駐車場、集会場を2004年12月までに建設する。宿舎は万博後、県営住宅として活用する。県は今年7月、埋め立て地7500平方メートルを町から7億5800万円で取得した。県の当初計画では、100戸分を確保する考えだったが、住民が反発したことから10戸減らした。県建設部では「今後も説明会を重ね、理解を得たい」としている。

●愛知万博に中部9県で出展する「中部広域交流館(仮称)」の出展基本計画を行う業者が30日、名古屋市中村区の広告代理店「名鉄エージェンシー」に決まった。アイデアを寄せた15社の中から選ばれた。
同館は、愛知、岐阜、三重、静岡、富山、石川、福井、長野、滋賀の中部9県が共同出展するもので、青少年公園地区にパビリオンを建設する。採用されたアイデアは、1000年後の「31世紀」をテーマとし、3次元のハイビジョンでモノづくりを見せたり、来場者の質問に答える小型ロボットを展示することなどを基本としている。同社では、今後さらに議論を重ねて、具体的な出展計画を決定する方針。

●愛知万博に出展する名古屋市館のデザインが30日、公表された。高さ約40メートルの世界最大級の万華鏡を備えた三角形の「光の塔」がシンボルで、同館総合プロデューサーで歌手の藤井フミヤさんがデザインした。愛知万博パビリオンのデザインが公表されたのは初めて。
この日、藤井さんが名古屋市内で基本計画の中間報告を行い、約200分の1の模型を披露した。藤井さんは「光、風、水が生み出す自然のパフォーマンスを、見て、聞いて、さわって体験し、幅広い人が癒やされるようなパビリオンを目指した」とイメージを説明した。 光の塔の内部で天井を見上げると、「ステンドグラスのような美しい光が現れる」仕組みで、塔の側面には、水が流れ落ちる「アクアウォール」をつくる。塔の前面には、竹や鈴が風に揺られて音楽を奏でる小さな塔も置く予定だ。

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