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【万博】2002.09.03-09.09の動き

●愛知万博開催のため、愛知県が会場予定地の愛知青少年公園(愛知県長久手町)にある県有施設を取り壊すのは税金の無駄遣いだとして、反対派住民が神田真秋知事を相手取り、取り壊し費用約6億6000万円の支出を差し止めるよう求める住民訴訟を2日、名古屋地裁に起こした。訴えを起こしたのは、「愛知万博中止の会」(影山健代表)のメンバーら33人。今年6月、支出差し止めを求めて住民監査請求をしたが、8月に請求を棄却されたため提訴に踏み切った。

●愛知県国際博推進局は2日、中国とポーランドが愛知万博に参加表明したことを明らかにした。外交ルートを通じての正式表明はこれで計45か国、5国際機関となった。中国とポーランドは、韓国、ロシア、メキシコとともに、愛知万博の次に開催される2010年国際博の誘致に名乗りを上げている。

●環境省は、愛知万博が開催される05年に、万博会場近くで「環境」を学習できる事業を実施する方針を決めた。計画作成費として、来年度の概算要求に1500万円を計上した。有識者らによる懇談会を設立し、来年度から2年間かけて環境教育の計画を立てる。具体的には、海上の森など万博会場近くの山林を活用し、自然観察をするプログラムなどを検討しているという。

●身障者や高齢者にやさしい愛知万博の会場作りを目指すバリアフリー対策アドバイザー会議が4日、名古屋市内で開かれ、「スロープやエスカレーターなどハード面だけでなく、人による障害者、高齢者へのサポートを充実させるべきだ」という意見が相次いだ。
会議では、施設配置や展示物の内容を検討している協会のプロデューサーや、身障者の代表らが参加、約120人の聴衆を前に、「高齢者や身障者、外国人も含めて、だれもが楽しめる万博にするには」というテーマで意見を述べ合った。このうち、博覧会協会のバリアフリー対策検討委員長を務める愛知工業大学の曽田忠宏教授は「愛知万博の特徴は自然そのものを楽しむこと。そのために自然を改変してスロープを設けるより、人が車いすをかついで運ぶようなソフト面でのバリアフリーも考えてはどうか」と提言した。また、聴衆からは「万博会場では、ある地点から別の場所への動線を示すだけの点字ブロックはいらない。視覚障害者が自由に会場内を歩き回れるよう、ボランティアが支援してほしい」など、人的サポート体制を望む意見が述べられた。 博覧会協会では、こうした意見を、万博会場の実施設計や建設計画に反映させる方針。

●愛知県の神田真秋知事は5日、愛知万博への参加要請と、愛知県がパリで開く投資セミナーに出席するため、関西空港からバンコクに向かった。神田知事は、ギリシャ、スウェーデンを訪問し、万博の理念や計画を説明し、各国に参加を求める。

●愛知県が長久手町南部の「オヨナガ池」跡地に万博関係者の宿舎に活用される県営住宅を建設する計画について、地元住民でつくる「オヨナガ池跡地利用を考える自治会対策協議会」は5日、建設反対の立場から神田真秋知事に4177人の署名簿を提出した。協議会のメンバーは、跡地一帯に住む主婦らのグループ。要望書によると、県営住宅が建設されると違法駐車や放置車両などで環境が悪化することや小中学校のマンモス化を招くとしている。
県によると、住宅の建設計画は、博覧会協会が外国からの公式参加者用宿舎(1000戸)の一部の確保を県に協力要請したのがきっかけ。県では、跡地が万博会場に近い長久手町の町有地であることなどから同町に協力を求め、今年7月、約7500平方メートルを7億5800万円で取得した。現在、総工費十数億円をかけて100戸分を2004年12月までに完成させる予定で設計を進めている。万博終了後は、周辺の県営住宅建て替えに際して住民の移転先として利用する計画で、住民説明会を開くなどして地元の理解を求めていく。

●愛知県の神田真秋知事は6日、タイ外務省、タイ国際航空の幹部らと面談し、愛知万博への参加と中部国際空港への乗り入れを求めた。タイ外務省は「関係機関と協議を深め、一日も早く参加を決めたい」と述べ、同航空も「万博で人の交流が盛んになる。増便も検討したい」と、いずれも積極的な姿勢を示した。神田知事らはタイ外務省でアピナン副次官と懇談。同副次官は「自然の叡智というテーマには非常に興味がある。とても重要なことだ」と理解を示し、10月に予定される省庁再編後、万博担当省庁を決め、参加について閣議決定すると約束した。6日には、寺西学県議会議長も、ハンガリー、英国への参加要請のため渡欧した。

●名古屋市民オンブズマンが昨年4月に情報公開請求した博覧会協会の借入金や収支予測に関する文書について、中部経済産業局が、一部非公開とした昨年4月の方針を撤回し、全面公開していたことが7日わかった。同オンブズマンでは、一部非公開の処分取り消しを求め、名古屋地裁に提訴し、昨年12月に勝訴したが、同局が控訴していた。

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