【万博】2002.08.06-08.12の動き
●愛知万博をきっかけに、低迷する商店街を再生しようと、東海3県の主な商店街の30、40歳代の若手経営者らが、中部経済産業局の呼びかけに応じて、振興策を策定するための企画グループを発足させた。商店街の若手同士が横の連携を深めて、活性化のための調査・研究を行うのは初めて。
参加しているのは、名古屋市内の大須や栄町、愛知県一宮市、岐阜市や岐阜県多治見市、津市や三重県伊勢市などの商店街の経営者13人。月に一回、事務局の経産局に集まり、来年3月25日に開かれる万博開催2年前イベントを目指し、振興策を話し合い、計画がまとまったものから、順次、実行に移していく。6月下旬に開かれた第一回会合では、各商店街に万博のサテライト会場を設けて、情報発信をしたり、商店街で売り出しをするときに万博のPRブースを作って、マスコットキャラクターを呼んで、集客力を高める案が出された。
●長久手町山野田の農業用ため池跡地で進む、愛知万博の関係者宿舎として活用する県営住宅建設計画について、地元住民でつくる「オヨナガ池跡地利用を考える自治会対策協議会」が6日、建設反対の署名活動を始めた。建設予定地域の住民が中心となり結成した同協議会では、地元自治会の協力を得て活動を推進。今週初めには、知事と長久手町長にあてて要望書を提出し、「環境を悪化させる」「住民は一切、合意していない」などとして建設反対の姿勢を明確にした上で、住民の意思を尊重した行政側の対応を強く求めた。署名活動は、同池の跡地を町から購入した県に提出するためのもので、今月下旬まで展開する。
●愛知万博で会場上空などを遊覧飛行する飛行船を製作するドイツ・ツェッペリン飛行船技術会社のベルント・ストレーター社長(59)が6日、愛知県庁を訪れ、「忘れがたい万博となるよう、われわれもベストを尽くしたい」と語った。同社が万博に向けて製作する飛行船「ツェッペリンNT」は、全長75メートルで14人乗り。日本での運航のため今年3月に設立された日本飛行船会社(名古屋市)が、今秋にも発注する。2004年春の完成後、約4か月かけて、愛知万博のPR飛行を兼ねてドイツから日本に飛来する。日本飛行船会社では「欧米では20数機の飛行船が就航している。万博を契機に、日本にも飛行船を定着させたい」と期待している。
●オーストラリア・ビクトリア州のスティーブ・ブラックス首相ら一行8人が7日、友好提携している愛知県を親善訪問、神田真秋知事や寺西学県議会議長と歓談した。
神田知事は「2005年には中部国際空港が開港し、貴国との距離が一層近くなる。その年には愛・地球博もあり、新空港を利用してぜひ万博に」とPR。さらにオーストラリア政府の早期の出展表明を促した。スティーブ首相は「応援したい」と答えた。同首相は万博会場アクセスとして実用化が計画されているHSSTに強い関心を示し、「メルボルン、シドニーの一帯に人口の約60%が集中。HSSTが導入できれば」と述べた。
●愛知万博の青少年公園会場で、博覧会協会が出展するメーンパビリオン「グローバル・ハウス」に、高さ13メートル、幅100メートルの巨大スクリーンを設置することが7日、分かった。名古屋市内で開かれた民主党愛知県連・万博推進プロジェクトチームの会合で、協会総合プロデューサーの泉真也氏が明らかにした。
泉氏は「何度も来場してもらえるような目玉を5つぐらい作りたい」とし、その一つとして巨大スクリーンの設置を挙げた。ソニーに協力を依頼し、つなぎ目のないスクリーンにレーザー光線を用いて、実物大のシロナガスクジラが泳ぐ姿を映し出すという。また、2000年前に中東で飲まれた古代ビールを再現して、来場者にサービスすることも検討している。このほか、青少年公園会場の各パビリオンを結ぶ「グローバル・ループ」には、ブドウのツタなどで高さ約30メートルの緑の壁を作ることも予定している。
同会場のグローバルハウス内に100のテーブルを設け、マンモスの化石やクレオパトラのミイラなど、地球の歴史を振り返るさまざまな逸品を並べる企画なども計画している。
●愛知万博開催まであと960日となった8日、一宮商工会議所が万博のカウントダウンに合わせて、オリジナルの地場産毛織ジャケットの受注数と、開催までの日数が同じになる「クロス・デー」を当てるクイズの回答の募集を始めた。
●愛知万博の会場予定地で、陶磁器産地でもある愛知県瀬戸市の陶芸家の技を後世に残そうと、愛知県は、陶芸家の手と同じ動きをするロボットの開発に取り組む。職人技をコンピューターで分析し、データをもとに製作するもので、県は「陶芸ロボットを万博会場で披露したい」としている。
ゲーム制作などで、人の動きをパソコンに取り込むために開発された「モーションキャプチャー」(動作保存装置)を活用する。陶芸家がろくろで形を作る際の力の入れ方や指の細かな動きを、コンピューターに取り込んで処理する。委託するのは、コンピューターソフト制作会社「デジタルマジック」(名古屋市中区)、映像制作会社「東海ビデオシステム」(同区)と名古屋工大。
デジタルマジックの行木修社長(51)は、「最新の技術を使えば、職人の技をデジタル化して保存できる。愛知万博では、瀬戸の職人技を世界に示したい」と話している。
●博覧会協会は9日、万博の主会場となる愛知青少年公園の造成工事に今年10月から着手する方針を同日開かれた理事会で報告した。今月12日から造成工事の参加企業を募り、来月中に契約する。パビリオンなど展示施設は年内に実施設計を取りまとめ、今年度末に工事に取りかかる予定。
また、大人(18歳以上65歳未満)の当日入場料を4600円とすることを決めた。「東京ディズニーランド」や「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の5500円より900円安い。午後5時から使える夜間割引券、平日に訪れる家族向け割引券なども用意する。前売り券は、開催1年半前、1年前と半年前に発売され、1年半前が最も割引率が大きい。料金は、閣議了解などの後、今年末には正式決定される。
●愛知万博に向けて、名古屋市は9日、開催888日前のカウントダウンイベントを10月19日に開くと発表した。市民参加で盛り上げようと、パフォーマンスグループやエンディングの踊り手88人などを市民から公募する。イベントは、「COUNT DOWN 888 Take off to 2005」〜未来へ出航!愛・地球号〜がテーマ。10月にオープンする中区栄公園のオアシス21を会場に、市民らが「誕生」「共生」「調和」といったテーマごとにパフォーマンスを披露する。