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【万博】2002.07.16-07.21の動き

●博覧会協会の坂本春生事務総長は15日、愛知万博について話し合う愛知県議会産業労働委員会に参考人として出席し、障害を持つ人への割引策の一つとして、障害者と介護者が一緒に入場する場合は、2人それぞれ割り引いて一人分の入場料金とする方向で検討していることを明らかにした。会場内で車いすなどの障害者を補助する介護者と入場する場合の制度について委員が質問。坂本事務総長は「未定だが、介添者と2人合わせて一人分の料金として検討中」と話した。
 また、民間からの寄付金450億円のうち、約半分の約220億円を見込む公営ギャンブル負担分について、坂本事務総長は本年度から地元の地方競輪、競艇で協賛レースが始まることを明らかにした。売上金の一部が愛・地球博の寄付に回される予定。

●愛知万博の会場「海上の森地区」で予定される最初の万博関連工事の入札が、16日、愛知県庁であった。発注工事は、工事車両の進入路を作るもので、指幸建設(瀬戸市)が2370万円で落札した。今月末にも着工の見通し。自然保護団体などは「工事が環境への配慮を怠った形で進められると、希少な動植物の生息域が壊される恐れがある」と警戒、監視活動をする方針で、火種を抱えての工事になりそうだ。
海上の森を含む万博会場について博覧会協会は、建物の施設建設を始める9月を、「着工」と発表し、小泉首相を招いた起工式も予定している。既に青少年公園地区の既存施設の解体工事の入札も終わっている。入札がある工事は、県館や政府館などを建設するために工事車両の進入路(約800メートル)を造るもので、県が発注し、事業費は約2500万円。海上地区では、県や協会が先月から今月にかけ、地盤の強度を調べるボーリングをした。地元の環境団体「海上の森を守る会」など7団体は「ハッチョウトンボの生息地に機械を置いたり、希少なギフチョウの生息地に機材運搬用モノレールの支柱を打ち込んだり、環境配慮より工事優先だ」と反発し、中止を求めた。協会は、「モノレールの位置に問題があった」などと不備を認めた。今回着工される吉田川一帯には、ゲンジボタルやハッチョウトンボの生息が確認されており、「守る会」代表で瀬戸市議の加藤徳太郎氏は「ボーリングのずさんなやり方を見れば、希少な動植物に影響を与える恐れがある」と指摘する。海上の森保護保全連絡協議会の高岡立明代表は、「造成をしないのが一番だが、工事をするなら、最大限の配慮をしてほしい」。「愛知万博の環境アセスに意見する市民の会」の八田耕吉事務局長は「万博110番のような仕組みで監視したい」と話す。
県国際博推進局の中谷光孝局長は「環境アセスメント評価書を順守したい」としている。

●万博会場への主要アクセスとなるリニア式の東部丘陵線の沿線地元住民や学校関係者の半数近くが、「利用を希望している」ことが17日、アンケート結果から明らかになった。 愛知県や長久手町、瀬戸市などでつくる東部丘陵線推進協議会が、この日、名古屋市内で開いた総会で明らかにした。
アンケートは、同協議会が昨年12月と今年2−3月に実施した。沿線の16学校の教職員や学生、生徒からは2990人、長久手町と瀬戸市の菱野団地の住民からは約1650人がそれぞれ回答した。このうち、「利用する」と答えたのは、長久手町民で46・3%、菱野団地住民で43・3%、学生・生徒で20・5%、教職員で36・2%と、おおむね半数近い数字だった。同協議会では、これらの数字をもとに1日の利用者数を「2万9800人」と推計し、「需要予測の3万千人をおおむね満たす結果だ」と説明している。だが、この日の総会では、利用者数が伸び悩んでいるJR大曽根駅―守山区間のガイドウエーバス事業を例に挙げた名古屋市の代表者が、「ガイドウエーバスの集客で悪戦苦闘しているが、自家用車の利用者に1割でも2割でも、丘陵線を利用してもらうようにしなければ」とクギをさす場面もあった。同協議会では、「東部丘陵線の各駅に接続するバス路線を増やしたり、パーク&ライド方式の充実を図るため、駐車場を増やすなどして丘陵線の利用者増を図りたい」と話している。

●自動車メーカー14社など作る社団法人日本自動車工業会は19日、定例理事会を開き、愛知万博の民間パビリオンに単独で出展することを決めた。博覧会協会によると、民間パビリオンへの出展は同工業会が9番目になる。

●愛知万博にちなんだイベント「地球市民大交流」が21日、名古屋市中区の矢場公園一帯で開かれた。県内34の青年会議所でつくる日本青年会議所愛知ブロック協議会が主催。「万博の理念である市民参加のモデルケースを示し、開催機運を盛り上げよう」と、通りがかりの市民を交え、環境講座やフリーマーケット、海外支援団体の活動報告などを実施した。環境講座では三河湾でとれたアカシャエビから、えびせんべい作りに挑戦。子どもらは自分の顔より大きいせんべいを鉄板で焼き上げ"自然の恵み"を味わっていた。

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